Novellのある幹部によると、オープンソース技術は、ソフトウェアメーカーに対してさらに優れた製品を開発するよう迫るもので、彼らの破滅を強いているわけではないという。
NovellのLinuxビジネスオフィスディレクターMatt Asayは現地時間20日、ロンドンで開催中のLinux User and Developer Expo 2004で講演を行ったが、このなかで同氏は、Linuxがプロプライエタリなソフトウェア業界を脅かしているのは、 技術革新の力によるものであって、絶滅の可能性ではないと述べた。さらに同氏は、Microsoftのような企業が、ここ何年も目を見張るような新しいアプリケーションを出せずにいる点を指摘した。
「いちばん最近MicrosoftがOfficeを大幅に改善したのは、いつのことだっただろうか。Officeはここしばらく、ほとんど変わっていない」(Asay)
「現状では独創性が失われてしまっており、それがデスクトップ上でLinuxを利用することの合理的理由の1つになっている。また、そのほうがMicrosoftのためにもなる。Microsoftは気に入らないだろうが、それによってMicrosoftは革新せざるを得なくなるからだ」(Asay)
Asayは、オープンソースがソフトウェア業界にとって悪しきものだと言う人々のことを、カセットテープやビデオレコーダー(VCR)などが登場した当時に、これらの新技術に反対したエンターテイメント業界の大物たちになぞらえた。カセットやVCRは結局、各々の業界に何十億ドルもの新たな収入をもたらすこととなった。
同カンファレンスの主要なテーマの1つは、Linuxがどの程度までデスクトップPC市場を支配できるかというものだ。これに関して、オープンソースコミュニティがMicrosoftから学ぶべきことがいくつかあると考える講演者が、少なくとも1人はいた。
現在はNovellの傘下にある、LinuxディストリビュータのSuSEによると、オープンソースソフトウェアの普及率を上げる鍵は、Windowsとの明らかな相違をなくすこと、そしてMicrosoftのオペレーティングシステム(OS)を適宜エミュレートすることだという。
「Microsoftは、私が研究開発全体につぎ込む金額よりも多くの費用を、ユーザビリティの研究だけに充てている」とSuSE Linuxの研究開発担当バイスプレジデントのChristian Schlaegerは述べ、さらに「Microsoftの製品には間違った部分もあるが、そこはこちら側で修正する。一方で、彼らの製品のなかには良くできたものもある」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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