4月10日、無線LAN規格IEEE802.11に関する展示会「Wi-Fi PLANET Conference & Expo Japan 2004」が都内で開催された。基調講演には米Microsoft Windows Networking and Communications Wireless ArchitectのDr.Amer A Hassan氏とマイクロソフト(日本法人) セキュリティ戦略グループ シニアプロダクトマネージャの森屋幸英氏が登場。同社の新しいワイヤレス技術であるWireless Provisioning Service(WPS)を紹介した。
マイクロソフト(日本法人)の森屋幸英氏 |
WPSは、Windows XPのユーザーが簡単に公衆無線LANスポットに接続できるようにする技術。Windows XP SP2とWindows Server 2003 SP1で構成され、2004年秋にサービスが開始される予定だ。
公衆無線LANスポットを利用する場合、これまでは事前に提供事業者のウェブサイトなどで利用手続きをする必要があった。また、1カ所で複数の事業者がサービスを提供している場所では、SSIDを見て事業者を判別する必要があり、わかりにくい点が問題となっていた。WPSはこれらの問題を解決すると森屋氏は説明する。
Windows XP SP2では無線接続機能にさまざまな変更が加わる予定だ。「ソースコードの部分から変更した」(森屋氏)。具体的にはまずグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)が変更され、公衆無線LANスポットの提供事業者が独自画面を表示できる場所が設けられた。これにより、提供事業者のアイコンなどが表示されるため、利用者にもわかりやすい画面になるという。
また、新たにアクセスポイント用のサインアップウィザードも用意され、初めてアクセスポイントを利用する人でも簡単に手続きができるようになっている。「プリペイド式の暗証番号を入力するだけでなく、その場でクレジット決済を行うことも可能だ」(森屋氏)
米MicrosoftのDr.Amer A Hassan氏 |
サーバ側はRADIUSサーバとユーザーディレクトリ、アクセスポイント情報提供サーバがあれば、Windows Server 2003でなくても対応は可能だ。ただしWindows Server 2003ではこれらの機能をすべて標準搭載しており、初期投資が低く抑えられると森屋氏はアピールする。
セキュリティに関しては標準技術を採用した。SSLやWPA(Wi-Fi Protected Access)、PEAP(Protected Extensible Authentication Protocol)などに対応する。また、現在標準化が進められている802.11i(WPA2)にも対応する予定。米MicrosoftのDr.Amer A Hassan氏によると、WPA2は6月にも承認される見通しで、マイクロソフトはXP SP2のリリース後にパッチとして提供する予定としている。
森屋氏は、公衆無線LANスポットだけでなく企業が顧客やパートナーのためにショールームやオープンスペースで無線LANを提供する際にも、「安全かつ簡単に無線LANに接続できる」と話し、WPSの導入を呼びかけた。
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