カリフォルニア州メンロパーク発--Sun Microsystemsは数週間以内に、サブスクリプション形式でのSolaris OS販売を開始する予定だ。この背景には、Red HatのLinuxに対して、Solarisの魅力を高める狙いがある。
Sunのソフトウェアグループを率いるJonathan Schwartzは、米国時間30日に当地で行われたインタビューに応え、この新しい料金体系のもとでは、顧客企業が従業員一人当たりの料金をベースにライセンス契約料を支払うことになると述べた。Schwartzによれば、この定額制の料金プランは4月末から提供される見込みだという。
「我々は、Solarisをサブスクリプション形式で提供し、Red Hatに対する明確な競争力を示す必要がある」と同氏は語った。サブスクリプション形式の料金体系が導入されると、Linuxに比べてSolarisのコストが安いことが明確になり、Solarisのほうがコストパフォーマンスで上回るという同社の主張と合致するようになる。さらに、Sunではソフトウェアの販売促進の一環としてサーバの無料提供を行うことも可能だが、これはRed Hatには真似のできないやり方だ。
しかし、Sunはいくつかの難題に直面している。Illuminataのアナリスト、Gordon Haffは、「Sunの目から見ると、サーバ向けのOSとしては、x86版のSolarisのほうが、OSLinuxよりも優れているということになる」と述べたが、事実上Unixの新たなバージョンであるSolarisをサポートするハードウェアやソフトウェアを取り揃え、さらには顧客サポートも提供しなければならないとなると、Sunは非常に困難な問題に直面しているといえると付け加えた。同氏によると、Solarisがコンピュータ業界全体でLinuxと同レベルのサポートを得られるとは想像しがたいという。
Solarisは、Sunが販売するUltraSparcプロセッサ搭載サーバで広く利用されている。しかし、こうしたマシンは、IBMのUnixサーバの台頭やLinuxの登場で、激しい競争にさらされている。Linuxは、Unixから派生したOSで、安価なIntelプロセッサ搭載サーバで手軽に利用できるという長所がある。このため、Sunは方針を大きく転換し、ほぼ絶滅状態にあったx86版のSolarisを復活させた。
Linuxベンダー最大手のRed Hatは、同社のOS製品を年間契約で販売しており、たとえばプロセッサを2基搭載したサーバで同社のLinuxを利用する場合、1日あたり12時間のサポート付きで、年間799ドルとなっている。ただし、同社の前四半期における平均販売価格は年間455ドルだった。
Red Hatは、SuSE Linuxを傘下に収めたNovellと並んで、SunにLinuxを提供しているパートナー企業の1つだが、今回のSunの動きに対して、一歩もひるんだ様子を見せていない。「我々は前四半期に、新たに8万7000件の契約を獲得し、また4000社の新規顧客を得た」と、同社の広報担当Leigh Dayは述べ、さらに同社ではIBM、Hewlett-Packard(HP)、Dellの各社との間で強力な提携関係を築いていることを指摘した。
SunのSchwartzは、30日に開かれた報道関係者との会合のなかで、このSolarisに関する計画を説明した。従業員1人あたりの料金を課すような形でSolarisの販売を行う計画がSunにはあるのかと尋ねられた同氏は、「そうしなければならない」と答えたものの、その詳細についてはいまだに発表されていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」