Adobe Systemsは23日(米国時間)、FrameMakerのMac版販売を中止する計画を発表した。同社がMac OSのサポートに徐々に背を向けていることを示す最新の動きとなる。
Adobeは4月21日より、FrameMakerのMacエディションの販売を中止すると述べた。FrameMakerは、技術マニュアルなど複雑な文書の作成によく利用される、印刷および電子媒体用パブリッシングツール。同社は販売中止後1年間は、Macバージョンのサポートを継続する。
Adobeは声明のなかで、FrameMakerのMacバージョンの売上が小さすぎ、開発継続を正当化できないと説明。なお、WindowsバージョンおよびSolarisバージョンのFrameMakerは、今後も販売継続される。
「Macバージョンの販売中止は、主に市場の状況に基づいた決定だ」とAdobeのプロダクトマネージャー、Tony Yunは述べている。「ここしばらく、大多数がWindows版かSolaris版を利用している...これは一種のトレンドのようになっている」
FrameMakerの現行バージョンはMac OS 9用だが、同アプリケーションのOS Xネイティブバージョンを開発するには、コストが特に高くなってしまう、とYunは指摘した。
AppleのMac OSは、Adobeのコアユーザー層の1つである「クリエイティブなプロフェッショナル」たちから長く愛されてきたが、Adobeは最近、Apple製オペレーティングシステム(OS)を冷遇する動きを見せており、今回のFrameMaker販売中止はその最新のものと言える。AdobeはAtmosphere 3Dグラフィックアプリケーションなど、最近リリースした複数のアプリケーションでMacユーザーをサポートしなくなった。同社はAtmosphere 3Dについて、Mac市場は小さすぎると発言している。
Adobeはまた、デジタル写真パッケージPhotoshop Albumや、DVD編集アプリケーションEncoreでも、Macユーザーを相手にしなくなった。AppleはMac OS向けに、これらの製品と競合するアプリケーションを自社で開発している。
Adobeは昨年、MicrosoftのWindows OSが稼動するコンピュータのほうが、Macよりもアプリケーションのパフォーマンスが高いことを示すテスト結果を発表し、Macファンらを怒らせたことがある。
だが、Adobe幹部らは、同社とAppleとの関係は盤石だと主張している。「我が社とAppleとは、良くも悪くも夫婦のような関係にある」とAdobeの最高経営責任者(CEO)Bruce Chizenは、CNET News.comが行なった最近のインタビューで述べている。「我が社とAppleとの関係は、お互いが違いを認識しながら、安定し、より強力な企業になるために重要なものだ。……我々は、競合できる部分では競合するし、提携できる部分では積極的に提携していくことで合意ができている」(Chizen)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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