日立製作所は3月1日、指をかざすだけで本人を認証できる生体認証(バイオメトリクス)技術を発表した。同技術は、指に横から光を当てて透過させ、静脈パターンを取得して認証する。指の腹側をかざして本人認証を行う開放型構造が特徴という。同社はこの技術をベースにソリューションを開発し、金融機関向け認証装置および関連サービスとして2004年10月の提供開始を予定している。
開発した開放型の指静脈認証装置(試作機) | |
同技術では、光源を指の側面に配置し、真横から光を指の内部に入射する方式を採用した。「指のなかで散乱した光のうち、指の腹面から透過した光を集光し、静脈パターン画像を得る全く新しい光学方式」(同社)。ただし、この光学方式には、指の側面部は明るくなり、中心部は暗くなるという欠点がある。そこで、照射する光量を時間的に変化させながら複数の画像を取り込むことで、ムラの少ない画像を合成する技術を開発した。
これにより、認証する指の上方(背側)を覆う必要のない開放型の指静脈認証が可能となった。「指をかざすだけで簡単に個人認証ができるため、金融機関などの窓口での本人確認に適している」(同社)
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