「(負荷テストツールの)LoadRunnerを知っていても、マーキュリー・インタラクティブ・ジャパンという会社を知らない人は多い。この状況を大々的に変えていきたい」---マーキュリー・インタラクティブ・ジャパンは2月23日、2004年の戦略方針に関する記者説明会を開催した。LoadRunnerを中心に製品単体の営業をしていた従来の手法を改め、市場ごとに機能テストツールやテスト工程管理ツールなどを含めたソリューションの提案を行っていく。
マーキュリーの親会社にあたるMercury Interactiveの2003年度(2003年1月〜12月)の売上高は前年比27%増の5億650万ドル。なかでもアジアパシフィックの売上高は前年比30%超と、最も成長率が高いという。ただし、同社の売上のうち約70%は米国が占めているのが現状。2月に代表取締役に就任したウィルソン・タン氏は、「日本により多くのリソースを投入しようと考えている」と話しており、日本での営業体制を強化していく考えだ。「日本企業は品質、ROI、顧客満足度に敏感だ。Mercuryの製品はいずれの要素も満たしており、市場に受け入れられるはずだと信じている」(タン氏)
マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン代表取締役に就任したウィルソン・タン氏 | |
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マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン マーケティングディレクターの河野真一氏によると、現在日本市場における同社の売上のうち約80%がLoadRunnerによるものという。この状況を改めるべく、2004年は注力する分野を4つに絞ったソリューション営業を行う。ERP市場、製造業市場、テスト方法論の確立支援、そして運営監視市場だ。なかでもERP市場はグローバルで力を入れている分野で、SAPやPeople Softなどと戦略的パートナーシップを結んでいる。
マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン セールスディレクターの武田守也氏は「ERPの開発の70%は、既存コンポーネントをカスタマイズするためのテストに費やされている。ここでは年間数億〜数十億円の投資が発生している」と話す。このテスト作業を自動化するツール「QuickTest Professional」を提案し、テスト作業の削減と品質向上を訴えていく。すでにマーキュリーでは昨年11月にERPサポートセンターを社内に設立し、自動テストに関する技術支援を行っている。
もう1つマーキュリーが力を入れるのが製造業市場だ。デジタル家電などは、PC並みの機能が盛り込まれるうえにバグの発生が許されない分野だ。ここに大きな潜在需要があるとマーキュリーでは見ている。同社の持つテスト管理ツール「TestDirecter」に要件定義ツールなどを連携させ、テストの全体効率を向上させる。
マーキュリーでは4分野で売上の30〜50%を占めるようにする考えだ。「1つの受注案件の額が億単位になるため、十分実現可能な数字だ」と河野氏は自信を見せた。
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