Microsoftは今週、Virtual Serverベータ版のテストを開始した。Virtual Serverは、1台のサーバで複数のオペレーティングシステム(OS)を動作させるためのソフトウェアだ。
Microsoftは昨年はじめ、ConnectixからMacintoshとWindowsにそれぞれ対応するVirtual PCプログラムとともに同ソフトウェアを取得し、開発を手掛けた。同社は、自社で開発したVirtual PCのアップデート版を昨年11月に出荷している。
同社は、Virtual Serverの最新版であるVirtual Server 2004を今年中旬にリリースする予定だ。同製品は、Microsoftの通常の販売経路であるコンピュータメーカーや小売店から販売されるほか、直接販売やボリュームライセンスでも販売される。ただし、同製品の価格についてはまだ発表されていない。
MicrosoftのWindows Server部門のゼネラルマネージャーであるEric Bergによると、Virtual Serverは、通常の仮想化ソフトウェアのように複数のタスクを扱うように設計されているわけではないという。同社はVirtual Serverを、Windows 2000やWindows NT 4など古いバージョンのWindowsが搭載されているサーバを統合するための手段と位置付けている。
例えば、通常古いOS用に設計されたソフトウェアを、新しいサーバOSで同じように動作させるには、別のプログラムを作ったり、もとのソフトを移植したりする手間がかかるところだが、Virtual Serverを使えば、そのままそのソフトウェアをそのまま利用できる、とBergは説明する。
「顧客企業は、現在のOSで使用しているソフトウェアを、Windows Server 2003でもそのまま使えることを望んでいる」(Berg)
一般ユーザーや顧客企業がOSをアップグレードするように説得するのが、依然としてMicrosoftの抱える最大の課題のひとつだ。
Microsoftはまた、様々なタイプのサーバについて新しいソフトウェアが動作するかどうかを調べるテスト担当者も、Virtual Server販売のターゲットにしているという。さらに、災害の後に少ない台数のサーバで復旧させる必要がある場合もこの他に考えられる用途だとBergは語った。
Microsoftは、同ソフトウェアをWindowsのさまざまなバージョンを動作させるように設計しているが、Linuxなどのx86系OSも「ゲスト」として動作させることができる。
「Virtual Serverのゲスト環境では、多くのx86系OSが動作可能だ」とBergは述べ、ただし「このソフトウェアはWindows用に最適化されている」と付け加えた。
この分野でのMicrosoftの主な競合相手はVMwareだが、同社は1月にストレージ大手のEMCに6億2500万ドルの現金で買収されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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