圧縮ソフトを専門とするソフトメーカー2社が、人気の高いファイル圧縮フォーマット、Zipを台無しにする恐れのあった争いに終止符を打った。
もともとZipの規格を開発・公開した米PKWareは、新しいSecureZipというセキュリティ拡張機能を、同社がZipフォーマットのライセンスを取得したソフトメーカーに提供するコードに含めると米国時間21日に発表したが、ライセンス先のなかには同社のライバル会社であるWinZipも入っている。
Zipは10年以上前から、インターネット上でファイルを簡単に転送する際のフォーマットとして、最も幅広く利用されてきた。Microsoft Windows OSの最新版に付属するツールをはじめ、数多くのプログラムでも、.zip拡張子付きのファイルならどんなものでも読み込んだり、解凍できる。
しかし、新しいセキュリティ機能は、互換性のないファイルを作成してしまうため、Zipフォーマットの存在が脅かされる恐れがあった。PKWareは、当初、同社の暗号化技術を公開していなかった。そこでWinZipは、セキュリティコードを自社開発することで、これに対応してきた。その結果、暗号化されていない、同じ.zipファイル拡張子を使用しているにもかかわらず、あるプログラムで作成した安全なファイルを別のプログラムで開くことができないという事態になった。
アナリストや他のソフトウェアメーカーは、互換性がなければ、ただでさえ支持者が減っているZipフォーマットの立場をさらに弱める恐れがあると述べている。高速ブロードバンド接続やハードディスクの容量が大きくなったことで、ファイル圧縮のニーズはますます減少してきている。
PKWareのチーフマーケティングオフィサー、Steve Crawfordは、同社がWinZipと協力して互換性問題に対処し、WinZipが将来の製品にSecureZipを組み込むという契約を結んだと語った。その一方で、PKWareは、WinZipのセキュリティフォーマットを同社の無料のPKZip Readerソフトウェアでサポートし、Zipファイルを開くことができるようにするという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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