Intelは、まもなく登場するPentium 4プロセッサの重要な部分を設計し直した。これは同チップの高速化を狙ったものだが、アナリストの間からは、この変更では処理性能が少しずつしか改善しないかもしれないとの声も上がっている。
情報筋の話では、Pentium 4の強化バージョンで2月初旬にリリース予定のPrescottは、現行Pentium 4が搭載する20ステージのパイプラインより大幅に長いパイプラインを搭載するという。パイプラインはチップ内にあるアセンブリラインに相当するもの。
一部の情報筋によると、Prescottのパイプラインは30ステージ前後になるという。
このような形でパイプラインを拡張すれば、Intelは4GHzで動作するデスクトップチップを2004年中に発売するとの目標を達成できる可能性が高くなる(Prescottはまず3.4GHz前後で登場しそうだと、複数の情報筋が述べている)。
あるIntel関係者は、Prescottのパイプラインの長さについて正式には認めなかったものの、実際にPentium 4のものより長くなると語った。
「Prescottには現行のものより長いパイプラインが載るだろう。パイプラインが長ければ、その分クロックあたりの作業量が減り、プロセッサを高速化できる」(同社関係者)
しかし、この変更は議論を呼ぶものとなりそうだ。Intelは見せかけの性能向上をアピールするために、チップを高速化しているに過ぎないとの批判が出てくる可能性もある。
こうした動きの背景には、消費者や多くの企業が、PCの購入を検討する際に、クロック数で示されたチップの速度だけを気にするという傾向がある。そして、チップが高速である程、それを搭載するPCの値段も高くなる。
Intelは、2000年にPentium IIIからPentium 4へと移行した際、パイプラインを10ステージから20ステージへと増やしている。
パイプラインが長ければ、それだけ処理性能も向上するが、チップのクロック数を上げても、当初はせいぜい処理性能がわずかに改善する程度だ。テスターによると、最初に登場したPentium 4は、クロック数が1.4GHzだったが、多くのアプリケーションでPentium IIIの1GHz版より優位に立てず、また15ステージのパイプラインを持ち、当時最高の水準にあったAdvanced Micro Devices(AMD)のAthlon/1.2GHzの性能を下回ることが良くあったという。
「(Pentium 4の)20ステージのパイプラインに文句を言った人間は、今回もまた全員がそうするだろう。Intelは、パイプラインのステージ数を増やしてクロックスピードを上げることが好きでたまらないようだ」と、The Microprocessor Forumの編集長であるPeter Glaskowskyは述べている。なお、同氏はPrescottのパイプラインについて詳細は明かさなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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