最新の調査によれば、米Apache Software FoundationのウェブサーバソフトApacheは、2003年に、競合する米MicrosoftのInternet Information Services(IIS)よりも、急速にシェアを伸ばし、インターネットで利用されているウェブサーバソフトの中で、引き続きダントツの1位となった。
英国のウェブサービス会社Netcraftによると、Apacheを利用してウェブページを公開しているサイトは、2003年1月の2200万(全体ではおよそ3500万)から、今年1月には3100万(全体ではおよそ4600万)に増加したという。この期間中に、Apacheのシェアは約40%増えたことになる。一方、同時期のIISの利用サイト数は、9,739,069から9,675,504へと推移し、ほぼ横ばいの状態だった。
Apacheの市場シェアは62%から67%に増加したが、逆にIISのシェアは27%から21%に減少している。
Netcraftのディレクタ、Mike Prettejohnによると、Apacheに関するこの調査結果はこれまでの傾向を維持したものであるが、ここ数年、Apacheは競合製品と比べて急速な成長を遂げているという。
Prettejohnは、「Apacheがこれまで成功してきた要因として、動作が非常に安定していることや、セキュリティ面の実績が優れていること、サイトの管理がしやすいこと、そして、無料であることなどが挙げられる」と述べ、無料であることが主たる要因ではないと語った。
これに関連する動きとして挙げられるのは、昨年、大手ドメイン・ホスティング会社数社が、IISから他のシステムに乗り換えたことだ。ドメイン・ホスティング会社とは、数百万にのぼる休止中または一時的なドメイン名を管理する企業である。米Register.comは、以前ApacheからIISに変更したが、2003年に再びApacheを利用するようになった。また、米Network Solutionsも、いったんIISへ移行したが米Sun Microsystemsの製品に戻した。このNetwork Solutionsの動きにより、Sunの昨年の市場シェアは急激に増加したが、シェアは依然として小さく、およそ3%となっている。
しかし、市場全体の状態を示すこの数字には、重要な事実--すなわち、MicrosoftがSSLサーバの市場で優勢である点が反映されていない。Netcraftの調査によれば、Microsoft製品はSSLサーバ市場の49%を占めており、Apacheが36%、Sunが3.5%でこれに続いているという。
Microsoftは、1996年頃からSSLサーバ市場で約50%のシェアを維持してきているが、残りの50%はApacheへ移行していると、Prettejohnは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス