米Sun Microsystemsは2003年12月24日(米国時間)、Cobalt製品のコードをオープンソースライセンスの下で公開した。これにより、Cobaltコミュニティ存続の道が開けた。
今回のコード公開により、Cobalt製サーバアプライアンス、Qube 3とRaQ 550用に書かれた全てのカスタムユーザーインターフェースとバックエンドのコードが、BSD形式のライセンスの下で入手可能となった。また、x86プロセッサを搭載した全てのRaQ/Qubeサーバ製品のカスタムBIOSも、GNU General Public Licence(GPL)の下で公開された。これにより、RaQ/Qubeサーバの管理者はキーボードやモニタをつながなくてもサーバのネットワーク設定を行うことができる。
Cobalt製サーバに搭載されているOSはオープンソースのLinuxだが、同社のサーバが家電並に使いやすかったのは、これらのカスタムコードによるところが大きい。1990年代後半にインターネットサービスプロバイダ(ISP)やウェブサイトを運営する企業の間でCobalt製サーバが人気を集め、大型で幅広い用途をサポートするSun Microsystems製サーバは、低価格でほとんど使い捨て可能なCobalt製ラックマウント型サーバ、Raqシリーズにシェアを奪われた。そこで、Sunは2000年に22億ドルでCobaltを買収した。
しかし、Sunは両社の企業文化の衝突やSolarisと共にLinuxサーバOSをどのようにサポートするか決めかねるなど、多くの問題に直面したという。Sunは先月末、販売を続けていた唯一のCobalt製アプライアンスサーバ、Raq550の販売を打ち切り、Cobalt製品関連の試みを完全に終結させた。
セットアップが容易なウェブ/電子メール専用サーバとして多くの小規模企業に支持されたCobalt独自のQubeサーバのソースコードは2003年7月に公開され、現在Blue Quartzという名称で維持・管理されている。
このBIOSは現在、Sunの技術者、Duncan Laurieが開発者向けサイトSourceForgeで個人的に維持・管理している。またユーザーインターフェースコードは、日本に拠点を置くCobalt Users Groupのウェブサイトで提供されている。グループのメンバーである安田 豊氏は同ウェブサイト上で、(Cobalt Users Group は)550ベースのBlue Quartzシステムの開発を含め、今後も継続してCobaltベースのソフトウェアの開発に関わっていくつもりだと述べている。さらに、550シリーズの製造は中止され、CobaltのDNAを受け継ぐ新製品の開発計画も存在しないが、今後もCobaltのDNAは生き続ける、と同氏は記している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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