米Sun Microsystemsは4日(米国時間)、同社のJava開発ツールを強化し、他のソフトウェアと連携しやすくする計画を発表した。
この計画は、同社のNetBeansプロジェクトを中心にしたもの。NetBeansは、複数のJava開発ツールが1つのプログラミングアプリケーション内で連動するようなソフトウェアを構築する、オープンソースのプロジェクトである。
Sunはこの発表の前日に、米IBMが主導する競合オープンソースJavaツール開発プロジェクト、Eclipseへの参加を断念したと発表していた。同社は不参加の決定を下した理由として、NetBeansとEclipseの技術的および組織的な違いを挙げている。
EclipseとNetBeansはどちらも、異なるJava開発ツールを1つのプログラミングアプリケーションの中で組み合わせるためのソフトウェアを開発する、オープンソースのプロジェクトだ。両者の統合が実現すると、たとえば開発者があるツールベンダーのソースコード管理ツールを別のベンダーのコードエディタと組み合わせて使うといったことが可能になる。
Sunは、NetBeansツールの大型アップデートとなるNetBeans 4.0を、来年半ばにリリースする予定だと述べた。このアップデートでは、NetBeansのインターフェースが「徹底的に作り直されさる」ほか、ウェブやWebサービスアプリケーションを構築しやすくする機能強化も行われると、Sunのソフトウェア開発プラットフォームグループのバイスプレジデント、Rich Greenは語った。
Sunのプラットフォームグループの最高技術責任者に新たに任命された、James Goslingの調べによると、NetBeans 4.0には「リファクタリング」技術が追加され、大規模な開発プロジェクトの管理が容易になるという。NetBeans 4.0には、Apache AntビルドツールやTomcat Javaウェブサーバをベースにしたアプリケーション構築システムが含まれ、またJava 2 Standard Editionの最新仕様であるバージョン1.5もサポートされる予定。
Sunでは、NetBeansの大幅な改良に取り組むとともに、さまざまなJavaプログラミングアプリケーションで、サードパーティのプラグインツールとコードの相互運用性を向上する方法を検討中だ。現時点では、NetBeansやEclipse、そして米Borlandなどの企業から出されているソフトウェアと、サードパーティの開発ツールを結びつけ調和させるシステムは、複数存在している。
「Java Specification Request(JSR)198」標準化計画は現在、プラグインシステムの共通化に取り組んでいる。Sunはこの計画を拡大し、Java開発者がさまざまな開発アプリケーション間でのプロジェクトの移動をもっと簡単にできるようにしたいとGreenは述べた。
「JSR 198は、各種ツール用に書かれたプラグインがそれぞれ別のツールでも使えるようにすることに焦点を当てている。我々はこの問題に取り組み、相互運用性の水準を上げねばならないと考えている。そのためには、開発者が取り組んでいるプロジェクト--つまり、書かれたコードの中身が、どのツールでも確実に扱えるようにする必要がある」(Green)
Sunでは、大幅な手直しを加えたNetBeans 4.0のリリースに先立ち、2004年第1四半期中にバージョン3.6を発表する予定だ。このアップデート版には、新しいインターフェイスやソースコードの中身を見やすくするよう設計したツールが含まれるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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