数多くのコンピュータユーザーが参加した分散コンピューティングのプロジェクトで、これまでで最も大きな素数が発見された。
630万桁以上にもなるこの数は、Great Internet Mersenne Prime Search(GIMPS)グループが発見した6番目の素数だ。同グループは、これまで最大とされていた素数を2年前に発見している。この数は約400万桁で、今回発見された新素数よりも比較的小さい。
GIMPS運営者によると、今回新たに最大素数を発見したのはミシガン州立大学のMichael Shafer(26歳)で、同氏が使う2GHz Pentiumプロセッサを搭載した米Dell製のマシンは、このプロジェクトの参加者約6万人が動かす、21万1000台のコンピュータのなかの1台だ。
この素数探しプロジェクトは、コンピューティング資源の共有技術の一端に位置するもので、電波望遠鏡の信号を解析し地球外生命体からの通信を探知しようというプロジェクト「SETI@home」と、概念的には良く似ている。
GIMPSプロジェクトでは、マシン間の接続は緩やかで、各マシンは中央のサーバに時々チェックインすればよいだけだ。こうした概念はよく、分散コンピューティングという言葉で表現されている。しかし、資源をもっと本格的に共有するような技術では、グリッドコンピューティングやユーティリティコンピューティングといった用語が用いられる。
GIMPSのインフラは、分散コンピューティング用ソフトを開発する米Entropiaが提供している。GIMPSのパソコンネットワークは、合計で1秒間に9兆回もの演算を行なっており、GIMPSサーバはこのネットワークが処理するタスクを監督している。
素数とは、1とその数自体でしか割り切れない数のことで、これまで数世紀にわたって数学者を魅了し続けてきたが、最大の素数の追求は主に学術的な関心によるものだ。
メルセンヌ素数(Mersenne Prime)とは、「p」を素数とするとき、2の「p」乗-1という形で表される素数のこと。こうした種類の素数を研究した、1588年生まれのフランスの修道士で数学者でもあったMarin Mersenneにちなんで名付けられた。
2日(米国時間)に発表された新素数では、pは20996011で、現在までに判明している40番目のメルセンヌ素数になる。
この新素数の実際の数字は、米Wolfram ResearchのMathWorldサイトからダウンロードできる。また、全ての桁が印刷されたポスターとそれを読むためのルーペも、愛好家向けに販売されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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