米IBMは、新たに3つの大学に研究機関を設立し、併せて国際的なコンピュータグリッドを構築して、ロジスティックスの仕組みの研究を進める。
新たに研究機関が設立されるのは、ペンシルベニア州立大学のSmealビジネススクール、アリゾナ州立大学のW.P.Careyビジネススクール、アイルランド・ダブリンのMichael Smurfitビジネススクールの3校。これらの研究機関では、サプライチェーンの仕組みの研究と、ロジスティックスに関するカリキュラムの向上に焦点を当てる。
IBMは今年2月に、ミシガン州立大学のEli Broadビジネススクールに、大学内のものとしては第一号となる、ロジスティックスセンターを開設すると発表した。
これらの研究機関は、実験を行うためのコンピュータグリッドで結ばれる。研究の中心は、さまざまなシステムにおいて、可変要素が変化したり相互に影響を及ぼす際に、どんなことが起こるかを調べるためのシミュレーションを作り出すことになる。
例えば、研究者は、さまざまな製薬会社が出荷や在庫に関する方針を変更した際に、多国籍に展開するドラッグ・ストア・チェーンの在庫および支払いシステムにはどんな影響が出るかをシミュレーションできる。ある意味で、これはゲーム「The Sims」のスーパコンピュータ版といえよう。
「サプライチェーンは、シミュレーションに最適の題材だ」(IBMの統合サプライチェーン部門バイスプレジデント、Stu Reed)
サプライチェーンは、これまでIBMが得意としてきた分野である。発注を管理したり、管理手続きを自動化したり、グローバルな生産オペレーションを稼働させるといった目的に使われる、複雑なロジスティックのシステムに関して、IBMは長い経験を持っている。同社自身も2002年に、サプライヤーや顧客との関係強化に加え、商品開発において社内各部門の協力を推し進めたことで、約53億ドルの経費を節減した。
また、米Dellのパソコン市場における躍進について、効率的なサプライチェーンを理由に挙げるアナリストも多い。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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