米IBMは10日(米国時間)、あるカンファレンスで、デスクトップコンピュータ用Linuxというアイディアの支持を打ち出すと見られている。
IBMはこれまで、サーバでのLinuxオペレーティングシステム(OS)の利用を強く推進してきた。だが、ボストンで開かれる「Desktop Linux Conference」の日程表によると、IBM Global ServicesグループのSam Docknevichは今回、Linuxの人気がデスクトップ市場にも押し寄せているとの主旨の講演を行う予定だ。
Docknevichの演説のタイトルは、「The Time is Now for Linux on the Desktop」(いまやデスクトップLinuxの時代)となっている。
今年8月の段階で、IBMのLinux計画を率いていた上級幹部、Irving Wladawsky-Bergerは、デスクトップLinuxについて「大きな関心が寄せられているが、まだ十分な勢いがついていない」と述べていたことを踏まえると、これは大幅な方針転換と言える。
IBMは今まで、サーバでのLinuxの利用を支持してきた。サーバとは、データの保存や処理に利用される、ネットワークに接続されたマシンで、通常は技術に長けた管理者に運営されている。いっぽう、米Microsoftが圧倒的支配を誇るデスクトップコンピュータ分野では、同社はLinuxの推進を避けてきていた。
しかしIBMは、デスクトップLinuxに関して、米Sun Microsystemsや米Red Hatのように、慎重なアプローチを取りそうだ。SunとRed Hatは、コンピュータユーザーがある決まったタスクを処理する場合には、デスクトップLinuxが最適だと主張している。
IBMは、同カンファレンスの日程表に記された演説の内容紹介で、デスクトップLinuxには「キオスクやATM、銀行の窓口決済用ワークステーション、ビジネス処理アプリケーション用の基本的なオフィスワークステーションなど、機能が限定されたマシンで利用できる」チャンスがある、と述べている。
デスクトップLinuxについて話をするのが、Global Servicesグループの幹部で、他の製品グループの人間ではないという点が重要だと、米Illuminataのアナリスト、Gordon Haffは言う。これは、IBMがデスクトップ用Linuxについて、自ら積極的に打ち出すものというより、顧客の要望があれば提供するものと見なしていることを示している可能性もある。
なお、加XandrosやLinare、米Lycoris、米Lindows、米NeTraverseなどの企業では、もっと積極的なアプローチをとり、ふつうのコンピュータユーザーにLinuxを使わせることを狙っている。
先週、Linux販売で第2位の独SuSEを買収する計画を発表した米Novellも、今回のカンファレンスに参加の予定であり、その他Red Hat、Xandros、NeTraverse、Security-Enhanced Linux group、OpenOffice、KDEも参加する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス