米SCO GroupのLinux知的所有権訴訟で、同社の代理人を務める弁護士らは、同社が係争中の訴訟で和解するか、もしくは他の企業から買収された場合、かなりの額に上る利益を得る可能性がある。
SCOは、同社の知的所有権訴訟で和解に達した場合、訴訟に携わった法律事務所に、勝ち取った金額の20%を支払う契約を締結したことを、米証券取引委員会(SEC)に最近提出した書類のなかで明らかにした。またSCOは、裁判が係争期間中、同社の売上や株式による資金調達で得た資金のうち同じく20%を、同社の弁護士に支払うという。この契約により、SCOが法律事務所に支払う額が、現金100万ドルとSCOの普通株40万株に上ることが明文化されたことになる。この契約の詳細は6日(米国時間)Wall Street Journal紙で報道された。
SCOは、SECに提出した書類のなかでは、同社の法律事務所の名前を明かしていない。だが同社の主任弁護人を務めているのは、ニューヨーク州のBoies Schiller & Flexnerで、同事務所には米Microsoftが司法省を相手に争った反トラスト法違反訴訟で名を挙げたDavid Boiesが籍を置いている。SCOおよび同法律事務所は、この契約についてのコメントには応じなかった。
SCOは今年5月、Boiesの事務所への支払いは、成功報酬ベース--訴訟で勝ち取った金額の一部を弁護士に報酬として支払うものだと述べていたが、契約の詳細は明かさなかった。
SCOは、UnixのソースコードをLinuxベースのソフトウェアに不正流用したとして米IBMを告訴して以来、大規模な論争の中心的存在となっている。SCOはUnixの主要な知的所有権の一部を所有している。SCOが、IBMを相手取って起こした訴訟では、GPL(一般公有使用許諾)もターゲットにされている。GPLは、Linuxのほか、多数のオープンソース開発プロジェクトや、SCO自身が現在も出荷しているソフトウェアなどが、法的な基礎としているライセンスだ。しかしIBMは、SCOを反訴しており、Linuxディストリビュータの米Red Hatも、事態収束のためSCOを相手取り訴訟を起こしている。
論争は依然として続いているが、SCOは投資家の関心を集めるのに成功したようだ。同社は10月中旬に、米BayStar Capitalから5000万ドルの出資を受けたことを発表した。SCOはその際、この資金を、主にソフトウェア開発計画の推進と、訴訟コストおよびライセンスプログラム費用に当てる意向だと述べていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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