オープンソースへの支持を強めるデンマーク

 デンマークの発表した報告書によると、オープンソースソフトウェアはプロプライエタリな製品に代わる重要な選択肢で、ソフトウェア市場を開放して競争を活発化するためのツールとして用いるべきだという。

 デンマーク技術委員会が今月初め、この報告書をデンマークで発表した時、ちょっとした論議が起こった。そして先週、同委員会は報告書の英語版を発表した。デンマーク技術委員会は、技術関連のアドバイスを政府に行うことを目的に、デンマーク議会が独立した機関として設置した委員会。

 欧州やその他の地域の多くの政府が、オープンソースソフトウェアにつちて、コストを削減し自国のソフトウェア開発産業に刺激を与えるものとみなしている。デンマークの調査結果は、こうした見方よりもさらに先を行き、公共セクターがオープンソースとオープンな標準をサポートすることは、ソフトウェア市場で真の競争を起こすのに不可欠だと主張している。

「オープンソースソフトウェアは、独占的な業界標準が存在する分野においてすら、プロプライエタリなソフトウェアに代わる技術的、経済的な選択肢を提供している」と報告書には書かれている。

 この調査は、標準化されたファイルフォーマットや、独占的でプロプライエタリなアプリケーションへの選択肢を推進して「デ・ファクトな独占」を打ち破る上で、政府が積極的な役割を果たすことを推奨している。

 同技術委員会は、この報告書で次のように述べている。「標準的なソフトウェアを巡る通常の市場の状況では、サプライヤの数が非常に限られるか、もしくは独占の傾向にある。そのような状況下で競争状態をもたらすためには、市場へ参入しようとする新規参加者をサポートするという政治的決断を下すことによってのみ可能だ」。

 委員会では、とりわけMicrosoftのWordフォーマットのような閉鎖的でプロプライエタリな標準に対して批判的で、市民が特定のソフトウェアを用いることを要求する上、独占を増強することから、電子政府の原則に反するものだとしている。

 「電子政府戦略は、主要な技術において、閉鎖的でプロプライエタリな標準をベースとすべきではない。デスクトップ(オフィスソフトウェア)分野において、現時点では、競争らしい競争はないといえる。この原因の多くは、電子的な文書交換において、Microsoftのフォーマットがデ・ファクトな標準となっているためだ」。

 同委員会は、ファイルフォーマットにおいて、デンマーク政府がオープンなXML(Extensible Markup Language)ベースの選択肢を積極的に推進することを推奨して、具体的にはOpenOffice.orgのXMLフォーマットか、新しいフォーマットを開発するために欧州プロジェクトを立ち上げるかだとしている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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