米Microsoft会長のBill Gatesは米国時間27日、今後3年間にわたる同社の戦略について語る予定だ。同社では、Windows関連製品を大量にリリースし、それを利益に結びつけたいと考えている。
カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されるProfessional Developers Conferenceで、Gatesをはじめとする同社の幹部は、Windowsの次期メジャバージョンで、アナリストらの予想では2006年のリリースが見込まれている「Longhorn」について、同社の進捗状況の詳細を明らかにする。
Microsoftによると、同社幹部は開発者に向けて、企業での社内アプリケーション構築用の「プラットフォーム」を形成する、Longhornやその他のこれから登場してくるソフトウェアコンポーネント類をどう活用できるかについて、アイデアを売り込むことを狙っているという。
Microsoftのプラットフォーム戦略グループでプロダクトマネジャーを務めるAdam Sohnは、「これらの開発者は技術の最前線にいて、突然に話を持ち出すようなことはできない。あらかじめ対応するための時間を提供する必要がある。PDC(Professional Developers Conference)はプラットフォームの次の波より数年先行しているが、非常に重要なフィードバックを得られるので、我々にとっては普通のことだ」と話している。
今回のカンファレンス参加者には、一枚のDVDが渡されるが、このなかにはLonghornの初期バージョンや、同社の代表的な開発ツールVisual Studio.Netの新バージョンでまもなく登場予定のコード名「Whidbey」、そしてSQL Serverのコード名「Yukon」という新バージョンが収められている。
Microsoftでは、開発者に働きかけて、次にまとめて各種のソフトウェアアップデートが登場する時には、これを導入してもらおうとしている。特に2004年後半に出荷予定のVisual Studio.Net開発ツールとSQL Serverデータベースをアップグレードしてもらうことは、Windows関連製品の需要を拡大するために重要である。
Microsoftは、Windowsベースのアプリケーションの利用促進に関しては、プロのソフトウェアプログラマーに大きく依存している。同社は、このようなアプリケーションの構築に必要なソフトウェアの基盤部分に関する技術の詳細を公表することで、技術関連の意志決定者に同社のソフトウェアが十分安全であることを説得したい考えだ。
Microsoftは、セキュリティの問題に引き続き悩まされている。同社が先週明らかにしたところでは、同社ソフトウェアの脆弱性に対する懸念もあって、前四半期は法人向けの売上が予想を上回る減速を示したという。この問題を軽減するべく、最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmerを含む同社経営陣は、セキュリティ改善に向けた自社の意気込みを強調している。
今回のカンファレンスは、ソフトウェアアプリケーション構築に対する要求が変化しつつあることを同社が示すためのチャンスでもある。Sohnによると、Microsoftでは、拡散と連携が進み、数多くの種類のコンピュータと組織が関与するコンピューティング環境でも機能するように自社製ソフトウェアの開発を進めているという。
「1人のエンドユーザーの生活の中だけでも、情報はさまざまな場所に散らばって存在するが、この情報間の障壁を排除することに我々は焦点を当てている」(Sohn)
機能強化のポイント
Microsoftのウェブサービスマーケティング担当ディレクター、Steven VanRoekelによると、同社はアプリケーションのコネクティビティ改善に向けて、ウェブサービスベースのソフトウェアを活用する方法を説明するという。さらに同社は、より安全なコードを書き、デスクトップPCの処理能力を活用した「スマートクライアント」アプリケーションを構築するために.Netシリーズのソフトウェアが搭載する機能を使う方法も説明する。
同カンファレンスではほかにも、「連携したアプリケーションやウェブサービスを構築するためのフレームワーク」と同社が謳う.Net Frameworkの次期バージョン「Indigo」、Longhornに搭載される新しいストレージシステムの「WinFS」、そして同オペレーティングシステムに搭載されるグラフィックス/プレゼンテーションシステムの「Avalon」などにスポットが当てられる。
Sohnによると、Longhornの登場はまだ数年先のことだが、開発者にはMicrosoftが自社のツールやデータベースに組み込む強化機能を活用し始めてもらいたいという。Sohnは、プログラムのクラッシュからWindowsを守る「マネージドコード」などの機能を利用する開発者には、これらの機能がWindowsや各種Microsoft製品の今後のバージョンに搭載されるものと考えてもらいたいと話している。
一方、同社はウェブ日誌のBlogを複数セットアップし、まもなく開催されるイベントを開催まで追いかけ、開発者コミュニティを活気づかせようと試みてきた。なお、今回のイベントのチケットは既に完売している。
「オープンソースコミュニティを見ていて、コミュニティ(共同体)という感覚が大切だということは我々もよく認識している。願わくば、我々も開発者の心を掴み続けていきたい」(Sohn)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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