ビル・ゲイツ、Longhornを初公開--来年夏にはベータ版発表

 ロサンゼルス発--米Microsoft会長Bill Gatesは27日(米国時間)、開発者からの支持を集めるべく、Windowsの次期バージョン「Longhorn」のプレビューを初めて行った。

 Longhornは、グラフィックとプレゼンテーションの新エンジン「Avalon」、新しい通信アーキテクチャ「Indigo」、そしてMicrosoftのリレーショナルデータベース技術をもとにした新ファイルシステム「WinFS」という、3つの大きな特徴を備えている。

 Gatesは、Longhornの具体的な発売時期については明らかにしなかったが、まだあと「数年にわたる作業」が必要だと述べた。アナリストらは、Longhornの発売を2006年と予想している。

 Microsoftでは、最終バージョンのリリース時期についての推定を発表せず、代わりに来年夏にベータ版(テスト版)をリリースする予定があると語った。

 Gatesは、Los Angeles Convention Centerで開催された同社の「Professional Developers Conference」の基調演説で、Longhornのプレビューを行なった。プレビューの内容は、Longhornのデスクトップ機能がほとんどだった。

 このプレビューでは、透明なウィンドウや、アニメーションでパッと開くウィンドウ、スクリーンの右側に表示される新タスクバーなどが紹介された。このタスクバーには、時計やバディリスト(友人・知人のリスト)のほか、RSSフィードでデスクトップにストリーム配信されるニュースなどの情報も表示される。

 また、ファイルシステムに組み込まれたリレーショナルデータベースを使って、たとえば、共通する1つの属性に基づいて情報を「スタック」させるなど、新しいやりかたで情報を表示できるようになった。このコンセプトはフォルダに似ているが、フォルダ設計よりもアドホックで、1つの情報を複数のスタックに入れることも簡単にできるよう設計されている。

 Longhornのグラフィック部分は、AvalonというXMLベースの新しいグラフィック・プレゼンテーション用エンジンがコントロールする。Avalonは、DirectXやClearTypeなどのMicrosoftの既存技術を拡張したもので、オペレーティングシステム(OS)に組み込まれている。

 このグラフィックの目に見える部分、とくに透明な、動きのあるウィンドウは、米AppleのMac OS Xを彷彿とさせるものだ。いっぽう、ユーザーが長いドキュメントをスクロールしている間にポップアップして現れるサムネール画像の機能などは、まったく新しいアイデアのようだ。

 新ファイルシステムWinFSは、以前から詳しく取り上げられてきているが、Gatesは、WinFSによって彼の長年のビジョンが実現し、検索技術の向上だけでなく、従来別々の「サイロ」に保管されていた電子メールや、ウェブページ、文書をグループ化する方法に道が開ける、と述べている。

 「私にとって、これは長い間実現を目指してきた重要な目標だ」(Gates)

 なお、南カリフォルニア一帯で被害を与えている山火事からは、遠く離れた場所で開催されている今回のイベントだが、午前中の基調演説に集まった聴衆の数は、事前の予想よりも若干少な目だった。また、たくさんのフライトがキャンセルされたり、あるいは何時間も遅れているなどの影響で、なかには未だにロサンゼルスに辿り着けない参加予定者もいるということだった。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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