あるセキュリティ会社の話では、欧米諸国の家庭や小規模企業のコンピュータが、マレーシアやフィリピン、台湾など、アジア地域で活動しているグループのスパムリレーに乗っ取られているという。
こうした「新種」のスパムリレー(大量の迷惑メールを送付するよう設定されたコンピュータのこと)は、ブロードバンドのインターネット常時接続を利用する家庭や企業が増えるにつれて、ますます頻繁に生じている、と英国のセキュリティ会社mi2gは述べている。
乗っ取られたパソコンの多くは、「侵入検知機能はおろか、基本的なファイアウォールすら設定されていない」と、mi2gはレポートのなかで述べている。
「家庭のコンピュータは、スイッチを入れてインターネットに接続するたびに、毎回異なるIPアドレスが動的に割り振られるケースが多い。このため、スパム業者にとっては、家庭のコンピュータをスパムリレーのターゲットにすれば、スパムの発信元が見つかりにくいというメリットもある」とレポートは続けている。
さらにこのレポートでは、カナダ、ドイツ、日本、スイス、英国、米国の家庭および小規模企業のコンピュータが、「最近数カ月間にスパムリレー目的で悪用されている」とも述べている。しかし、このレポートは、具体的な数字データや情報の出典には触れていない。
Mi2gは、スパムメールのシグネチャを辿っていくと、「中国やロシアのほか、アルゼンチン、ブラジル、グアテマラ、ハンガリー、マレーシア、ニカラグア、フィリピン、ルーマニア、サウジアラビア、韓国、スペイン、タイ、台湾などの国々を拠点とするスパム業者に常に行き当たる」と述べている。
乗っ取られたコンピュータの多くは、ウェブページに埋め込まれたり、スパム自体に添付されたりするトロイの木馬プログラムに感染した結果、スパムリレーに使われたいう。
同社では、この問題の解決策をいくつか提案している。たとえば、コンピュータの各ユーザーが常時接続の責任を負うようにする法規制を設けたり、インターネットサービスプロバイダ(ISP)が異常に多い帯域を消費している顧客を監視する、といったことが挙げられている。
大量の迷惑メールは、インターネットの電子メールトラフィックの3分の1近くを占めているとされる。また、トラフィックの2分の1がスパムだとする報告もある。一部のスパム業者はウイルスも利用している模様だ。Sobigウイルス群はスパム業者を助けるために広められた、と考えているセキュリティ専門家は多い。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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