最終更新時刻:2008年10月7日(火) 13時05分

米マイクロソフト、Office Systemの全アプリケーションにIM機能を導入

2003/10/21 18:31  

 米Microsoftは、かつてなく積極的に、企業に向けたインスタントメッセージング(IM)サービスの売り込みを開始しようとしている。また同社は、市場で主導権を握るために、かつて採用した戦略を再び展開しようとしている。

 Microsoftは21日(米国時間)に、同社の企業向けアプリケーションスイートMicrosoft Officeのアップデート版、Office Systemを発売するが、今回のOffice Systemでは、電子メール、ワープロ、表計算、プレゼンテーションの各アプリケーションに、インスタントメッセージング(IM)機能が組み込まれている。

 これにより、従業員は業務文書を見ながら、連絡を取りたい相手の最新の連絡先が一目で確認できる(これをIM用語で「プレゼンス機能」と呼ぶ)。例えば、Outlookの電子メールメッセージが、現在そのメールの送信者はオフラインで連絡は携帯電話へ、と知らせてくれる。

 ただ、この機能を利用するためには、Office Systemにアップデートするだけでなく、Microsoft製の新しいサーバソフトを購入する必要もある。

 「Microsoft は、Internet ExplorerとWindow 95、98との統合でやったのと同じことを、Office内のインスタントメッセージングとプレゼンス機能との統合でもやろうとしている」と語るのは、Microsoft の元幹部で、現在Reuters Messagingのエグゼクティブバイスプレジデントを務めるDavid Gurleだ。「基本的に、同社は各アプリケーション開発を共通のプラットフォーム上で行った」(Gurle)

 これまでMicrosoftは、市場の独占状態を利用した新製品の販売戦略を繰り返し展開しており、同社の計画ではこのお馴染みの筋書きがクローズアップされる。今回MicrosoftがOfficeスイートにIM機能を組み込んだ背景には、それによりOffice Systemへのアップデートを促したいとの同社の思惑がある。しかし狙いはそれだけではない。同社は企業へのIMサービス販売でも主導権を握りたい考えだ。

 IMソフトを使うことにより、IMサービスの利用者同士で、リアルタイムのテキストメッセージ交換が可能になる。IMは、かつてはティーンエイジャーや初期導入者がチャットツールとして利用していたにすぎなかったが、America Online(AOL)、Yahoo、MicrosoftのIMサービスが数百万台のデスクトップパソコンで利用されるようになってから、人気が上昇してきた。IMプロバイダにとって特に魅力なのは、ユーザーが勤務中もIMでチャットを楽しんだり、企業ファイアウォール内外の相手との通信手段としてIMを利用している点だ。

IMは氷山の一角、「プレゼンス」が要

 Microsoftは1999年に同社のIMソフト、MSN Messengerをリリースして以来、IMを非常に重要なアプリケーションとして位置付けてきた。以来MSNはライバルのAOL やYahooと凌ぎを削ってきたが、同社のWindows部門も同じくIMに関心を持っていた。

 Microsoftは2001年にWindows XPオペレーティングシステム(OS)にバンドルして、IMアプリケーションのWindows Messengerをリリースした。ファイアウォールの外側のウェブユーザーたちによるMSN Messengerの利用が増えつづける一方、Windows Messengerは21日に発売される企業向けIM製品、Office Live Communications Server 2003(LCS)の基礎となった。

 MicrosoftはIMを皮切りに、企業内の全てのリアルタイム通信機能を同社の製品で行わせるという、より大きな戦略の展開を考えている。もしこの構想が実現すれば、LCSを使って同僚の所在を確認し、IMや電話で即座に連絡が取れるようになる。

 Jupiter Researchのアナリスト、Michael Gartenbergは「インスタントメッセージングは、氷山のほんの一角にすぎない」と述べ、さらに「各アプリケーションでプレゼンス機能が利用可能になり、それによって様々な使い方が可能になるということだ。これは、Microsoftにとっては当然の行動といえる」と語った。

 現時点で可能なLCSの使い方はこんな感じだ。例えば、ある従業員が、同僚がExcelで作成したスプレッドシートを受け取ったとする。LCSを使用することにより、SmartTag機能によって作成者名の下にリンクが張られ、従業員はそのリンクを右クリックすることで、作成者がオンラインかどうかを確認できる。作成者は昼食中で席を外しているかもしれないが、もしオンライン中なら、IMウィンドウを開いて即座にメッセージを送信できる。

 企業はLCSを導入すれば、Officeを使って、IM、電話、あるいはビデオ会議により、従業員はもちろん、ベンダーや顧客とも連絡が取れるようになる。

 「LCSが行うのは、全てのアプリケーションに共通の接着剤としてプレゼンス機能とインスタントメッセージングをくっつけることだ」とMicrosoftのLCS部門のリードプロダクトマネジャー、Ed Simnettは語る。

 Microsoftは、LCSをOfficeスイートにバンドルさせず、Officeのアドオンとして販売していこうと考えている。LCSの価格は、大口顧客の場合、サーバ1台につき733ドルで、これにユーザー1人当たり25ドルのクライアントライセンス費用がかかる。LCSは、企業のバックエンドシステムに同社のサーバソフトWindows Server 2003が搭載されていないと、動作しない。同ソフトの初期インストール費用は929ドルで、従業員1人当たり34ドル95セントの追加料金がかかる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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