米Sun Microsystemsは13日(米国時間)、まもなく登場する同社のUltraSparc IVプロセッサが、従来製品より1.6〜2倍ほど高速になると発表する。この新プロセッサの登場で、米Intel、米IBM、米Advanced Micro Devices(AMD)などとの争いがいっそう激化しそうだ。
米カリフォルニア州サンノゼで今週開かれるMicroprocessor Forumで、Sunは今年中にUltraSparc IVの生産をスタートさせ、2004年6月までには1.2GHzの製品を登場させる予定を発表する。同社プロセッサマーケティンググループのバイスプレジデント、Andy Ingramが語った。
UltraSparc IVは、2つのUltraSparc IIIプロセッサコアを、同一のシリコン辺上にまとめたもの。IBMも、同社のPower 4プロセッサでよく似た技術を用いており、またIntelもXeonやItaniumチップに同様の技術を採用する予定である。Sunのチップは、UltraSparc IIIと同じソケット上に差し込むことが可能なため、ユーザーは比較的簡単に利用中のコンピュータをアップグレードできる。
Sunは現在、ハードウェア、ソフトウェア、サービスからなる統合製品の供給者に変身するべく、自社のビジネスを再構築中だが、新チップは依然として同社製品に必要不可欠な基盤である。UltraSparc IVは、Sunの主要顧客をつなぎとめるのに十分な速度を持っていると、Insight 64のアナリストNathan Brookwoodはいう。
「これ(UltraSparc IV)で、Sunもレースに参加し続けられる。UltraSparc IV自体が、人々にSun製品への乗り換えを促すものかは分からない・・・だが、既存のSunユーザーをつなぎ留めるものにはなるはずだ」(Brookwood)。
Sunは、Intelが繰り出すますます強力なプロセッサから攻勢を掛けられ、UltraSparc一辺倒のアプローチを捨てて、IntelのXeonやItanium、AMDのAthlonなどのx86プロセッサも採用するようになった。Sunは今後、これらの外部メーカー製チップに頼ることになるだろうと、同社でプロセッサおよびネットワーク製品グループのエグゼクティブ・バイスプレジデントを務めるDaivd Yenは述べている。
最新の性能データでは、UltraSparc IV-1.2GHzとUltraSparc III-1.2GHzを比較しているとIngramは説明する。「UltraSparc IVの製品サイクルにおいて、少なくともプロセッサレベルで2倍のスループットを出せるようになるはずだ」(Ingram)
パフォーマンスの向上はSunにとって死活問題だと、RedMonkのアナリストJames Governorはいう。「チップに関していえば、Sunはこれまで打ちのめされ続けてきた。チップの持つ自力の点で、ライバル製品に遅れを取っている」(Governor)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス