Linuxカーネルの最新版となる2.6が、今年の12月に正式リリースされる予定であることが10月10日、明らかになった。カーネル2.6は今年6月頃の発表を目標に開発が進められていたが、大幅にスケジュールが遅れていた。それでも、どうやら年内には間に合うようだ。
Linuxカーネル2.6の主任メンテナーを務める米Digeo主席エンジニアのAndrew Morton氏は、都内で開かれたLinux Kernel Conference 2003で講演を行い、カーネル2.6の開発状況について語った。
カーネル2.6は現在テスト版がリリースされており、世界中の開発者がバグの修正に当たっている。最近では米国時間8日にテスト7が公開されたばかりだ。Morton氏によると今後1、2週間のうちにテスト8が公開され、リリース候補版のRC1が発表された後、正式版のカーネル2.6.0が12月頃に発表される予定だという。
Morton氏は講演の中で、カーネル2.6で盛り込まれる新機能についても紹介した。カーネル2.6はエンタープライズ環境での利用を想定し、拡張性の向上に重点が置かれている。
Linuxカーネル2.6の主任メンテナーを務めるAndrew Morton氏 | |
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Morton氏によると、カーネル2.6はプロセッサを16CPU、もしくは32CPU搭載したサーバでも対応するという。前バージョンのカーネル2.4では4CPU、もしくは8CPUまでしか対応していなかった。また、IA32サーバでは、8GB以上のメモリ搭載サーバでもサポートするなど、大規模システムで利用できるように機能が拡張されている。
「もしLinuxを搭載した2wayサーバを利用していて、それが何の問題もなく動いており、会社に利益をもたらしているのならば、カーネル2.6に移行する必要はない。カーネル2.4は優れたOSで、95%のサーバは問題なく動くはずだ。カーネル2.6では残り5%のうちの4%、つまり大型サーバなどで利用されるための改良を施している」(Morton氏)
ただし、Morton氏は「私たちのためにぜひカーネル2.6を使って、バグを報告してほしい」と付け加え、会場に集まった人々に開発への参加を呼びかけることを忘れなかった。
カンファレンスにはMorton氏のほか、カーネル開発者のPaul "Rusty" Russell氏も来日し、自身が改良を加えたモジュールコードについてジョークを交えながら講演した。会場には200人ほどが集まり、カーネル2.6に関して活発な議論が行われていた。
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