ISO、標準使用料の徴収案を撤回

 標準団体のInternational Organization for Standardization(ISO)が、広く使われている国・言語・通貨コードに使用料を課すという提案を行なったところ、大騒動となった。ISOでは、これを受けで同提案を撤回した。

 ISOは、コード使用料の徴収を始める計画はないと発表した。この提案に対しては、World Wide Web Consortium(W3C)やInternet Engineering Task Force(IETF)、Unicodeなどの他の標準団体が怒りをあらわにしていた。

 こうした標準団体や、ソフトウェアおよびマークアップ言語開発者らは、ISOの取り決めたコードに依存しており、今まで無料でこのコードを実装してきている。

 ISOは、今回の論争では、ISOの計画や行いが誤って捉えられていると発表した声明のなかで述べているが、どのように誤っているのかについては触れていない。ISOの代表からはコメントが得られなかった。

 「ISOは国、通貨、言語コードの無料使用を認めるという確立された慣習を、今後も続けていく」とこの声明には記されている。同声明では、今回のコード論争を「現在の慣習と目的に対する誤った解釈が先頃公になったもの」としている。さらに、使用料に関する提案は「現在全く検討されていない」とも述べている。

 ISOは通常、コードなどの標準仕様書を販売しているが、コード自体は無料で配信されてもいる。国コードはISOのウェブサイトに、通貨コードは英国規格協会(British Standards Institution)のサイトに、言語コードは米国議会図書館のサイトに、それぞれ掲載されている。

 コードに使用料を課すことに批判的な人々が、特に懸念しているのは、コードの購入以降もさらに料金が発生するという考えだ。

 ISOは、開発者に対して、国コードを自動的に更新する「オプショナル・ソフトウェアサービスパッケージ」の提供を検討していると述べていた。

 「しかし、今のところいかなる決定も下されていない」とISOは声明で述べている。「それに、仮にこのオプションが開発されても、ISOは引き続き、国・通貨・言語コードの無料利用を認めていく」

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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