米SCO Groupは、何かと物議をかもしているUnixベンダーだが、同社の最高経営責任者(CEO)、Darl McBrideによれば、オープンソースソフトウェアの支持者たちは、開発者として、そして活動家として、自らを律する必要があるという。
McBrideは「オープンソースコミュニティへの公開状」と題した書簡の中で、同社ウェブサイトを機能停止状態にした最近のサービス拒否(DoS)攻撃に関し、オープンソース支持者の仕業だと考えていることを明らかにした。同氏は、オープンソース擁護者が、このような行動を防止し、また罰するようにお互いを規制しない限り、自分たちの立場を危うくすることになると述べている。
「ビジネス的または法律的にオープンソースコミュニティを怒らせるような立場をとれば、次に自分がコンピュータ攻撃の標的にされるのではないかと企業が恐れるような状況を、容認するわけにはいかない」と、米国時間9日朝SCOウェブサイトに掲示される前に、CNET News.comが入手したこの書簡のなかで、同氏はそう主張している。「このような違法な攻撃を抑え込まないと、この種の振る舞いと結び付けて考えられる人間がみな、企業ユーザーや世の中からますます見放されてしまう」。
McBrideの書簡はまた、ハイエンドコンピュータメーカーの米SGIが、SCOの次の訴訟の標的になっているという憶測についても、それが事実であることを認めている。
オープンソース界をリードするBruce Perensのコメントが、SGI(旧名Silicon Graphics)が配布したLinuxソフトウェアに、SCOの所有するUnixのSystem Vバージョンから派生したコードが組み込まれているとするSCOの主張が事実であることを裏付けている、とMcBrideは述べた。また同氏は、そのコードは偶然にコピーされたとの主張を退けた。
「Silicon Graphicsに雇われていたLinux開発者が、厳しい使用条件の下でSilicon Graphicsに認められた、著作権で保護されたSystem Vコードの一部を抜きとり、あたかもSGIが所有し管理するクリーンなコードであるかのように、そのソースコードをLinuxに提供したという事実に変わりはない。これは、SCOに対するSGI側の明らかな契約違反であり、著作権侵害だ」(McBride)
同氏は、SGIによる不正流用疑惑は、オープンソース開発のプロセスがより大きな問題を抱えていることを示すものだと述べた。Linuxの開発者が提出したコードに、問題点がないことを保証するための適切なメカニズムがない限り、Linuxソフトウェアは法的に不安定な状態に置かれ、企業の意思決定者の信頼を得られそうもないと同氏は述べた。
「オープンソースコミュニティが、自分たちの製品を企業に受け入れて欲しいなら、コミュニティ自身も世の中で一般的に受け入れられているルールや手続きに従わなければならない。これこそ、グロ-バル企業から求められるものだ。オープンソースの命運を決めるのは、SCOでも、IBMでも、オープンソースのリーダーたちでもなく、これらの顧客だ」と、同氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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