サン・マイクロシステムズが年内に提供を開始するとされているサーバアプリケーションスイート「Orion」。いくつかのサーバアプリケーション機能をまとめ、インストールや管理を簡単に行えるようにするものだ。9月5日に行われたプレス向けセミナーにおいて、その内容の一端が明らかにされた。
会場で説明に立ったサン・マイクロシステムズ プロダクト・マーケティング本部 本部長の山本恭典氏は、「サンはサーバの会社だと言われ、ハードウェアの会社だと思われている。しかし本質的にはハードウェアベンダーではなく、ソフトウェアこそが背骨にある」と語る。歴史的に見ても、Sunの最初の製品である「Sun-1」のハード自体は既存部品の寄せ集めであり、そこに搭載されたUNIXこそが重要だったというのだ。そして、そのオープン・ソフトウェアの歴史を受け継ぐのがOrionというわけだ。
サンは今まで、それぞれのソフトウェアごとに製品サイクルが異なり、価格付けの方法も乱立していた。そのため、ユーザーには大きな負担になっていたという。
サン・マイクロシステムズ プロダクト・マーケティング本部 本部長の山本恭典氏 | |
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「『サンのソフトウェア管理はサーカスで猛獣の訓練をするのと同じ』と言われていた。それぞれのソフトウェアが猛獣のようなもので、管理するのが大変だという意味だ。今までユーザーはそのような環境下に置かれていた」(サン・マイクロシステムズ プロダクト・マーケティング本部ソフトウェア製品事業部長の増月孝信氏)。
そこでOrionではソフトウェアのライフサイクルを共通化し、四半期ごとにリリースする。「サンのソフトウェア群を1つのOSのように捉えてもらえればいい」(増月氏)。さらに、それぞれのソフトウェアの整合性についても、あらかじめエンドユーザーが使う環境でテストを行った上で提供するという。
Orionのもう一つの特徴は、価格体系をシンプルにしたことだ。具体的な価格体系については触れられなかったが、ソフトウェアごとのライセンス提供ではなく、サポートや教育、コンサルティングなどのサービスも含めた年間契約のような形で提供する予定だという。「買いやすいモデルを作ることで、ユーザーの投資リスクを軽減したい」(増月氏)
Orionの提供時期については、「年内には提供を開始する」(増月氏)という。米国では9月半ばにサンフランシスコで開催されるSunNetworkカンファレンスでOrionを正式リリースすると見られており、日本でもあまり時期を挟まずに発表される予定だ。
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