最近は製品よりも裁判沙汰で注目を集めているUnixソフトウェアメーカーの米SCO Groupが19日、同社主催の顧客向けカンファレンスSCO Forumの出席者に対し、Webサービスフレームワーク「SCOx」の概要を発表した。
SCOによると、このSCOxを使ったWebサービス構想は、同社の提携企業がウェブ対応製品/サービスからの売上げ向上を図るため、中小企業をターゲットにした製品/サービスを提供できるようにすることを目的としているという。
Webサービスツールでアプリケーションを開発することにより、どのインフラ上で開発されたかに関わらず、アプリケーション同士の接続が可能となる。Webサービスは一般に、課金、パートナー統合、在庫管理といった業務プロセスで使用される。
SCOの構想ではUDDI(Universal Description, Discovery and Integration)やSOAP(Simple Object Access Protocol)といった基本的なWebサービスをサポートする。また同社によると、SCOxフレームワークはMicrosoftの.NetやSun MicrosystemsのJava 2 Enterprise Editionなど、ほかのWebサービスインフラ向けに開発されたソフト上でも実行可能という。
またSCOはカンファレンスの中で、開発者や顧客がアプリやサービスを容易にウェブ対応化できるSCOx WebFace Solution Suiteと、提携企業や顧客が今回発表したWebサービス構築用SCOxフレームワーク上でアプリケーションを構築できるようにするアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を発表した。また、SCOxを導入する参加者にはSCO自らトレーニングやビジネス関連情報の提供を行うという。
それでも裁判の影響が
SCOとIBMとの裁判が原因でソフトウェア業界に生じた亀裂の影響は今回のカンファレンスでも明確に現われたようだ。つい先週まで、Hewlett-Packard (HP)の代表が19日に基調演説を行う予定になっていたが、実際カンファレンスが開催されると、演説者がHPよりもはるかに規模の小さい企業の代表に代わっていた。さらに過去何年も同カンファレンスのスポンサーだったIntelも今回は全く目立たない存在だった。
McBrideによると、HPの基調演説が行われなかったのは同社の構想発表の準備が整っていなかったからという。しかしMcBrideは、Linuxの熱狂的支持者から公にSCOを支持することに対して圧力がかかっていると感じている企業が多いと指摘する。またMcBrideは、LinuxとSCOと関係している大企業がしばらく大人しくしていたいと考えたとしても不思議ではない、と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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