サンフランシスコ発--開催中のLinuxWorldで基調講演の壇上に立った米Red HatのCEO、Matthew Szulikは、新しいテクノロジーをけなすお偉方をよそに、「最後には我々が勝つ」とのシンプルなメッセージを伝えた。
米国時間5日午後の基調講演で聴衆に向かったRed Hatのトップは、Linuxを批判する人たちを、過去に新しい技術について間違った見解をしていた人々になぞらえた。そして、ばらばらの状態であるオープンソースコミュニティが団結するときが来た、と語った。
「あなたたち1人ひとりが、将来の情報社会を受け継ぐ者なのだ」とSzulik。「業界全体を前に進める動きに参加しようと呼びかけるために、私は今日この場に立っている」。
大手Linuxディストリビュータ2社のうちのひとつであるRed Hatにとって、コミュニティの結束から得るものは多い。過去、オープンソースソフトウェアは、ソフトウェアはプロプライエタリなものでなくてはならないと考える企業の攻撃の的だった。今年は、Linuxに対し知的所有権があると主張する経営の傾いたUNIX企業、SCO Groupが登場し、攻撃の列に加わっている。
ソフトウェア業界とエンターテイメント業界でデジタル著作権に関する戦いが盛んになるなか、Szulikはオープンソース開発者が団結すべき時が来たと強調した。
「60年代が市民権を巡って戦った時代だったとすれば、デジタル著作権を求めようとする時代はどのようなものになるのだろうか?私が望むのは、コードを閲覧でき、それでも逮捕されない時代だ」(Szulik)
同氏は基調講演のなかで、自社の製品を宣伝をすることはなかったが、オープンソースプロジェクトが法的な戦いに備える基金を開始するために同社が100万ドルを寄付したことを強調した。Szulikによると、この献金Linuxはコミュニティに感謝の意を表するためという。
「われわれが会社を創業し、株式公開できたのも、自発的に貢献してくれた皆さんのような人たちのおかげだ」とSzulikは語った。
また、同氏はこの基金への寄付も訴えている。
「コミュニティを食い物にすることを選ぶ人なのか、それとも前進させる人なのか、すぐに見分けがつくだろう」(Szulik)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス