米Microsoftは、Windows XPオペレーティングシステム(OS)へのPtoP機能追加を進めている。
同社は最近、PtoPアプリケーション構築のための開発キットと、インターネット・プロトコル・バージョン6(IPv6)ネットワークプロトコルのサポートを追加するWindows XPアップデートをリリースした。
既報の通り、このWindows XP用ツールはどちらも、PtoPアプリケーション作成を簡単にすることを狙いとしている。両ツールはMicrosoftのウェブサイトからダウンロード可能だ。
PtoPネットワークでは、個々のマシンは中央にあるサーバに情報をアップロード/ダウンロードするのではなく、マシン同士で直接通信を行なう。PtoPアプリケーションの最も分かりやすい利用例はインターネットでの音楽ファイル交換だが、PtoPはビジネスアプリケーションにおいても重要な役割を担うと主張するソフトウェア会社もある。
米Groove Networksは、ネットワーク上のパソコン間でインスタントメッセージなどの通信ツールを使って文書を共有するという発想をもとに、コラボレーション・アプリケーションを構築した。なお、MicrosoftはGrooveを一部所有している。
米Sun Microsystemsも、同社のJxta計画でPtoP技術の開発に投資している。Jxtaは、開発者がPtoPシステムを構築できるようにするプログラミング機能を集めたもの。いくつかの独立系ソフトウェアプロバイダでは、コラボレーションアプリケーションや、センサーなどの機器をコンピューティングシステムに接続するアプリケーションを、Jxtaのネットワーク構築ツールを使って構築している。
Microsoftでは、新しいWindows XP開発キットのリリースによって、開発者によるPtoPアプリケーション構築が盛んになり、Windows XPの売上が伸びることを期待している。デスクトップ向けソフトウェアで大きな売上を得ているMicrosoftは、開発者たちに、強力なパソコンを活用するアプリケーションの構築を奨励している。
新Windows XP開発キットには、PtoPネットワークに合わせたメカニズムがいくつか導入されている。たとえば、ネットワーク上にいる人々を同定するためのアップデート機能はその1つで、通常ユーザーの同定にはサーバベースのディレクトリ(名簿)ソフトウェアなどが必要とされている。また同キットには、ネットワーク上の多数のマシンへのデータ配信に便利な「グラフ化・グループ化」機能もある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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