サンフランシスコ発--米Red Hatは4日(米国時間)、米SCO Groupを相手取り裁判を起こしたことを発表した。Linuxをめぐる法的争いが一段とエスカレートしたことになる。
Red Hat最高経営責任者(CEO)Matthew Szulikは、4日に開いた電話会議のなかで、同社がSCOの著作権や企業秘密を侵害していないという確認判決などを求めるなど、7つの点を訴状のなかに盛り込んでいる、と述べた。
「我々は裁判所に、『知的所有権や企業秘密の侵害は全く行なわれなかった』と宣言してもらうことにした。我々は忍耐強く耳を傾けていたが、顧客やオープンソース・コミュニティ全体が当てこすりやうわさに脅かされており、今こそ行動すべきときだと判断した」(Szulik)
これに対し、SCOはRed Hatの主張をはねつけた。「SCOの主張は真実であり、法廷でそれを証明するのを待ち望んでいる」と同社は声明を出した。「SCOはエンドユーザーに恐れや不安、疑念を広めようとしているのではない。我々は正式に認められたわけではないUnixの変種であるオペレーティングシステム(OS)を稼動させるリスクについて、エンドユーザーを教育しているのだ。LinuxにはUNIXから丸ごとコピーされたソースコードが含まれており、それには許可も保証も全く無いのだ」
オープンソースコミュニティは、Red Hatが発表したこの法的戦略をおそらく歓迎するに違いない。Red Hatはこの戦略を、現在サンフランシスコで開催中の「LinuxWorld Conference and Expo」の初日に発表した。SCOは、Linuxのベースとなるソースコードの一部が、SCOが一部知的所有権を有すると主張するUnixから不正にコピーされたものだと訴えている。
SCOは今年、米IBMがUnixに関するSCOのプロプライエタリな知的所有権をLinuxにコピーしたとして、十億ドルの損害賠償を求める訴訟を起こした。また同社はLinux顧客1500社に対し、LinuxがSCOの知的所有権を侵害している恐れがあると警告する手紙を送っている。Red HatはSCOの行動を「不公平で詐欺的だ」とし、Red HatのソフトウェアはSCOの知的所有権を全く侵害していないと述べている。
「我々は、SCOが根拠のない誤った発言を公にすることで、Red Hat Linuxや、誠実なオープンソース・ソフトウェア開発プロセスを攻撃するのを止めさせるため、SCOを提訴した」と、Red Hatの法務部長Mark Webbinkは声明で述べている。「Red Hatは現行および将来の顧客が妨害されることなく、我々のRed Hat Linuxプラットフォームの大きな価値を実感し続けられると自信を持っている」(Webbink)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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