IBM幹部「反Linux勢力がうごめいている」-米MSの関与を示唆

 IBMの幹部が、ある「勢力」がLinux転覆に乗り出していると主張し、その中にMicrosoftやSCO Groupが含まれると仄めかした。

 IBM eServer iSeriesの営業担当ゼネラルマネジャー、Al Zollarは米国時間7月29日、オーストラリアのクイーンズランドで開催された同社のアジア太平洋地域戦略計画会議の参加者に対し、ある「一群の勢力」がLinuxの普及を阻止しようとしていると語った。

 ZollarはMicrosoft本社のあるワシントン州レッドモンドを指し、「援軍も多少加わってたようだが本陣はレッドモンドにある」と語った。

 それに続けてZollarは、SCOもこの連合軍に参加していると指摘。SCOは、複数のLinuxバージョンに含まれるコードの知的財産権を巡って訴訟を起こしており、またLinuxの商業利用に対してユーザーからライセンス料を徴収しようと画策している。

 このLinuxを巡るSCOのライセンスプログラムは、SCOとIBMとの間で繰り広げられているLinuxのコードを巡る法廷闘争の最新の動き。SCOは、UNIXの一部コードについての知的所有権が自社にあり、またIBMをはじめとする各社はこれを不正流用し、Linuxのソースコードに組み込んだと主張している。SCOでは、それらのコードは同社が著作権を保有するUNIXのSystem Vバージョンから盗用したものだと主張している。

 なお、Zollarの発言について、IBMから詳しいコメントは得られていない。

 業界アナリストやオープンソース支持者の一部は、SCOによる訴訟が、多くの開発者がボランティアの協同作業で開発しているソフトウェアアプリケーションに適用される、知的財産権を不透明なものにすべく故意に起こされたものだ、と主張している。また、SCOの行動に不満を持つ多くのLinuxファンは、オープンソースソフトウェア攻撃の背後にMicrosoftの存在があると、以前より示唆してきている。

 IBMでは自社の製品及びサーバに関する戦略にとって、Linuxが重要であるとの考えを明確にしている。

 同社が米国時間7月29日に明らかにしたところでは、アジア太平洋地域においてiSeriesミッドレンジサーバシリーズでLinuxが実装される例が、600%増加したという。ただし、企業の業務の核となるアプリケーションでの採用はまだないとも付け加えている。

 Zollarは、エンタープライズ市場におけるLinuxの成長を止めることはもはや不可能であり、SCOの主張は「馬鹿ばかしい」とこれを切り捨てた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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