香港の企業がシンクライアント、携帯端末、ネットワークコンピュータでの利用を想定した独自のプロセッサを開発し、この受注を開始した。
香港のCulturecom Holdingsが発表したプロセッサ、V-Dragonは、この分野における同社の最初の製品で、中国語操作とLinux OSに特化しているという。
同社では、このプロセッサはIBMと共同で開発したもので、32ビットのRISCの設計をベースとしていると述べている。
また、Culturecomは自社のWebサイトで、同チップはオンボードのエンジンを用いることにより、ネイティブに中国語の文字を生成できるとしている。このオンボードエンジンは、キャッシュ内からシンプルなビルディングブロックを呼び出して文字を組み立てる仕組みになっており、速度の遅いハードディスクに格納された完全なフォントを呼び出す必要のある他のコンピュータと比べて、高速に文字を表示できるという。
同社によると、このプロセッサは米チップメーカーのTransmetaからライセンス提供されたMidori Linuxに最適化されているという。Transmetaは、モバイル端末向けに省電力プロセッサを製造するメーカーである。
同社では、このV-Dragonチップを搭載したマザーボードの販売も行う。このマザーボードには、メモリやハードディスクの管理を行い、またプリンター用のUSBポートや、イーサネット用ポートも搭載する。
Culturecomによると、V-Dragonは「とくに中国本土における新しいIT環境標準を推進することを目的に開発した」ものだという。
「中国政府は一貫して、ネット家電やネットワークPC、ターミナルやネットワークシステムなどに向けた、LinuxおよびLinuxベースのアプリケーション開発を支持してきている。V-Dragon CPUは中国政府が新しいIT環境標準を推進するために設けた基準を満たすものだ」と、同社は声明のなかで述べている。
Culturecom会長のFrank W.T. Cheungは、「Midori Linuxを組み込んだV-Dragonのアーキテクチャは、中国市場においてこの種のシステムを牽引するもので、中国政府のIT政策にマッチするものだ」と語った。
中国政府は、国家発展政策の一環として、プロセッサやコンピュータ端末、OSなどの独自開発を支援している。Transmetaや米AMDなどの企業と協力しながら、独自のLinuxであるRed Flagを利用して、eラーニング用の携帯端末からスーパーコンピュータまで、あらゆるものを構築しようとしている。また、デスクトップPC向けを想定した独自の32ビットプロセッサ設計にも乗り出している
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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