複数のコンピュータ業界筋によると、米Intelの次期デスクトップ向けチップPrescottは、3.4GHzで登場する予定だという。また薄型ノートパソコン用省電力型チップDothanは、サーバ用チップ並の大きなキャッシュ付きで、1.8GHzで発売されると見られる。
CNET News.comに届いたIntelの発表、ならびに業界筋の情報によると、Intelは2003年後半に、新チップの発売や、製品の値下げを多数予定しているという。今後のサーバチップの詳細も明らかになった。
ライバルの米Advanced Micro Devices(AMD)や米Apple Computerも、2003年後半に新ハイエンド製品を発売する予定で、かつてAMDとIntelが競合する新チップの長所を声高に宣伝していた、1999年末のような状況になっている。
「プロセッサ市場は今秋、非常に面白くなってくるだろう」と米Mercury Researchの主任アナリストDean McCarronは述べている。
第4四半期発売予定のPrescottでは、マルチメディア処理用の新命令や1MBのキャッシュなど、現行Pentium 4のいくつかの機能が拡張されている。キャッシュとは、データへのアクセスを高速化するためのチップ上のメモリのことで、現行のPentium 4のキャッシュサイズは512KBだ。
情報筋によると、チップは当初3.4GHzで発売され、2004年第1四半期に3.6GHzに高速化されるという。チップがPentium 4という名前で販売されるか、別の名称となるのかについてははっきりしていないが、同社では従来、アーキテクチャが変更されると新ブランド名を採用する慣習となっている。
Prescottは大量購入の場合、1個637ドルになる見込み。発売日は特定されていないが、Intelは10月26日に、他のプロセッサの価格を最大35%値下げする。Pentium 4が値下げとなるのは、6月以来初めてだ。通常、既存製品の値下げと新チップの発売は、ほぼ同時期に行なわれる。
また、チップの速度はほぼ変わらないだろうが、最終的な価格は変動する可能性が高い。
さらに、IntelはCeleronシリーズでも、2003年後半に2.7GHzチップを発売する予定で、8月24日に既存製品を値下げする。
2004年後半には、デスクトップ用チップ市場の様相が再び変わりそうだ。インテルの発表文書によると、PCI Express(次世代チップの入出力標準)をサポートするチップセットや、DDR2メモリが初めて発売されるという。またPrescottの後継となるTejasも、ほぼ同時期に発売が予定されている。
ノートPC用チップに目を向けると
その一方で、Intelのノートブック用のラインアップは大幅に変更される。Centrino搭載ノートブックにみられるプロセッサである新しいPentium Mは、第3四半期には1.7GHzのものが登場する予定だ。このチップには、1MBのキャッシュメモリが搭載される。
次のPentium MのコードネームであるDothanは、第4四半期に希望価格637ドルでリリースの予定。Dothanは、90ナノメートルの製造プロセスで作られている点が、現在のPentium Mとは異なる(現行のPentium Mは130ナノメートルのプロセスで製造されており、これはチップ上の主な部品の平均サイズが130ナノメートルであることを示す。なお、1ナノメートルは1メートルの10億分の1の長さ)
製造プロセスの進歩は、チップにトランジスタを更に追加することが出来るのを意味する。結果として、キャッシュメモリは倍増して2MBになる。たとえば、Intelが販売しているサーバー用Xeonチップの最上位製品には、2MBのキャッシュメモリが載っており、価格は3000ドル以上だ。また、AMDのサーバー用最上位チップは1MBのキャッシュメモリを持つ。ちなみに、キャッシュメモリの容量が大きくなると、それだけ大量のデータをプロセッサの近くに保持できることになり、結果的に処理性能が向上する。
Dothanは2004年の第1四半期までに1.9GHz、そして次の四半期には2GHzまでスピードアップする予定だ。
また、Dothanにはバッテリー寿命を上げるための低電圧バージョンおよび超低電圧バージョンが予定されていることも、同時に明らかになった。2004年第4四半期には、1.2GHzの低電圧バージョンが、また翌年2005年の第1四半期には1.3GHzの低電圧バージョンと1GHzの超低電圧バージョンが、それぞれリリースされる見込みだ。
モバイル用のCeleronチップもまた、キャッシュメモリが増加しスピードアップする。Mobile Celeronには、現在256KBのキャッシュメモリと133MHzのシステムバスが載っている。
2004年の第1四半期に、Intelは1.3GHzのMobile Celeronをデビューさせる予定。これには400MHzのシステムバスと512KBのキャッシュメモリが搭載される見込みだが、両方とも最近まで最速を誇ったPentium 4デスクトップのチップに載っていたものと同じスペックだ。さらに、800MHzの超低電圧Celeronも同時に登場する。これらのチップのスピードアップが、その後第2四半期に行われる予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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