マイクロソフト次期社長、マイケル・ローディング氏
Rawding氏は、Windows Server 2003が同社のTrustworthy Computing(信頼されるコンピューティング)の方針を元に発表された初の製品だとし、セキュリティ強化のために250億円もの投資を行ったと述べた。具体的には、徹底したコードレビューや、過去のOSで攻撃対象となった部分を60%削減したこと、修正プログラムの自動ダウンロードなどがあげられる。また同OSは、日本市場で11万以上ものベータテストを実施したという。
今回の発表会には、5月に同社エンタープライズビジネス担当取締役に就任したばかりの平井康文氏も登場した。平井氏は、Windows Server 2003日本語版の発表にあたってパートナー企業との連携が大変重要な役割を果たしたと述べ、「われわれはソフトウェアを提供することはできても、トータルソリューションを提供するということにおいてはパートナーとの協業が不可欠」と、同発表会場に応援に駆けつけたインテルやNEC、SAPジャパンなど、多くのパートナー企業の代表に感謝の意を表した。
エンタープライズビジネス担当取締役 平井康文氏 | |
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本日のWindows Server 2003発表と同時に、ハードウェアパートナー11社から同製品搭載サーバが75モデル提供され、アプリケーションパートナー32社からは同製品対応アプリケーションが約250製品提供される。また、セールス&ビジネスパートナー各社との取り組みにより、7000名が営業・技術・サポートのトレーニングを完了した。
Linuxに対する優位性についてRawding氏は、「Linuxは安くて安全であると思われているようだが、ある外部機関の調査によると、サポートなども含めトータルで見た場合のコストは実はそれほど安価でないとの結果も出ている。また安全性についても、攻撃があった場合に誰が対応するのかを考えると、われわれの製品には十分優位性がある」と述べている。
マイクロソフトでは販売目標に関する具体的な数字は公表していないが、平井氏は「まずは現在70〜80万台のサーバで使われているWindows NTを2003に、そして新規の案件に対しても2003を提案していきたい」としている。また、「レガシーシステムはそのまま使い続けることでTCOが増加するのみなので、レガシーからのマイグレーションに対する代替ソリューションとしての提案も考えている」とのことだ。
平井氏は前職がIBMのソフトウェア事業部長ということもあり、「競合会社での新たなスタートに向けて感想は」という質問も出たが、同氏は「IBMとマイクロソフトは競合ではなく、補完関係にあると思っている。お互いに力を合わせ、日本のIT産業の活性化に貢献していきたい」と述べた。また、Rawding氏の正式な社長就任は7月1日となるため、本日の発表会では新社長としての今後の抱負といったコメントは差し控えていた。
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