マザーボード設計特許で訴えられたDell

 オランダのPCメーカー、Tulip Computers Internationalが、Dell Computerに対して起こした特許侵害裁判の訴訟手続きが、米国時間23日に始まった。

 オランダのアメールスフォールトに本社を置くTulipは、マザーボードデザインに関して、同社が保有する特許を侵害されたとして、2000年の11月にDellを提訴した。Tulipは金額を設定しないまま賠償金の支払いを求めている。

 この訴訟の争点となっている特許はマザーボード上での拡張カードスロットの配置に関するもので、これによりPCメーカーは、さらに小型で、さらに効率的な冷却システムを持ち、接続された各種デバイスとさらに効果的にコミュニケーションをとれるデスクトップコンピュータを製造できるようになる、というもの。

 Tulipによると、Dellはこの特許技術を、同社の企業向けデスクトップシリーズのOptiPlexマシンで採用しているという。この特許侵害によってDellが170億ドル相当以上の売上げを得たと、Tulipでは主張している。

 デラウェア州の連邦裁判所で開廷され、約2週間続くと予想される今回の訴訟に関しては、DellからもTulipからもコメントを得ることはできなかった。

 Carr & Farrellのパートナーで特許関連問題を専門にするJohn Farrellは、問題となっている技術がOptiPlexコンピュータの売上げに、何らかの形で実際に影響を与えていたとしたら驚きだが、ただし、どのように小さな発明でも、その技術が人気の高いマシンで採用されれば、かなりの利益を得られるだろう、と語った。さらに彼は、もし陪審員が特許侵害でDellが有罪との結論に達したら、Dellでも賠償せざるを得ないだろうとし、特許侵害を正当な弁解の難しい一時停止違反に喩えて、「犯罪を犯せば罰金を支払うのは当然だ」としている。

 知的所有権を巡る論争は近年、企業各社が発明に社運を賭ける技術業界で、特に目立ってきている。SCO GroupはIBMを相手取り、UNIX関連の自社の知的財産をIBMが不正流用して、Linuxに組み込んだとの訴えを起こし、IBMをはじめとする各社に対して数十億ドルの賠償を請求している。この訴えは、オープンソースコミュニティを震撼させている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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