米SCO Groupは米国時間16日、IBM版のUNIX「AIX」の販売を同社に認めたライセンスを取り消し、IBMのUNIX関連ビジネスを永久に差し止める申請を裁判所に対して行ったことを明らかにした。
IBMのシステムグループで報道担当バイスプレジデントを務めるMike Fayは、同社ではライセンスに反したことは一切しておらず、またUNIX製品の販売ライセンスはまだ有効であるため、顧客にこれまで提供されたAIXの使用ライセンスが無効になる心配はない、と主張している。
「当社が取得したUNIXライセンスは取り消し不能で、永久に継続するものであり、対価もすべて支払い済みである。解除できるわけがない」(Fay)
SCOによると、AIXライセンスの解除により、IBMのUNIXを利用している全員のソフトウェア ライセンスも解除されるという。SCOsourceトップのChris Sontag氏は、「今回の契約解除はIBMがこれから獲得するすべてのビジネスだけでなく、すべてのカスタマーサイトにインストール済みの既存のAIXにも適用される。これらはすべて破棄しなくてはならない」と話す。
IBMは昨年一年で、36億ドル相当のUNIXサーバを販売している。AIXを利用する主な顧客には、米国の核兵器の安全性および信頼性を保証するためにこれを活用しているLawrence Livermore National Laboratory、全世界での経理と在庫システムの大半を処理するColgate-Palmolive、ハリケーンなどの天候予測に利用している米国気象局などがある。
行動改善を求めたSCOの要求に、IBMが従う様子がないことから、今回のSCOの行動はあらかじめ予想されたものだった。SCOが先週明らかにしたところでは、両社は短時間の交渉を行ったものの進展はなかったという。
SCOは、1995年にNovellから、UNIXの著作権のほか、Hewlett-Packard(HP)、IBM、Compaq Computerをはじめとする多数の大企業との契約を購入した。これらのライセンスは長年ほとんど眠ったままの状態だったが、SCOは、これがLinuxの販売に失敗して低迷する自社を梃子入れする収益源になると判断した。
SCOは3月に、IBMがUNIXのコードを不正流用してLinuxに組み込んだとして、自社との契約に違反した疑いがあるとし、10億ドル以上の賠償を求めてIBMを提訴した。SCOはその後、Linuxに直接コピーされたというUNIXコードを発見し、他社も同様に提訴することを明らかにしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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