6月3日以降、感染が次々と認められているBugbear.Bウイルスが急速に拡大している。一部では、6日にピークを迎えたとされているが、当分の間、勢いは収まりそうにない。
Bugbear.Bは電子メールとネットワーク上のHDD共有を通じて感染するウイルス。米Symantecには、48時間で3000件の同ウイルスの感染報告があった。この数字は、4位にランクされているFizzerの5月の月間報告数に匹敵する数という。2年前に猛威を振るい、米政府やマイクロソフトがセキュリティイニシアティブを開始するきかっけとなったNimdaを思い出させる勢いだが、同社シニアディレクターのVincent Weafer氏は、「Nimdaと比較すると、感染スピードはさらに上」という。同氏は、「電子メール経由で感染するウイルスの常として、数カ月から数年間は影響を与える」と述べ、当分は終息しそうにないとの見方を示している。
この他にも、スパムやウイルス付き電子メールをゲートウェイで遮断するサービスを提供している電子メールサービス業者の英MessageLabsでは、すでに10万件以上のBugbear.Bウイルス添付メールをブロックしたという。同社CTOのMark Sunner氏は、6日がピークだったとしながらも、減少のスピードは遅いと予測している。
Bugbear.Bは、電子メールの添付ファイルを開くか、MicrosoftのOutlookを最新版にアップデートしていない場合に感染するウイルス。2年前に発見されたMicrosoftのOutlookの欠陥を突いており、バックドアを仕掛けて侵入してくる可能性もある。また、感染したシステム上で、ユーザーがキーボードで入力した情報を保存するプログラムも実行する。感染経路は、電子メールや共有するネットワーク、場合によってはモデム接続を介してで、被害はこれまでのところ家庭でのユーザーが大部分となっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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