米Yahooの最高経営責任者(CEO)のTerry Semelは同社従業員のボーナスにおいて、変動の激しいストックオプションではなく、現金での支給を開始した。
シリコンバレーにとって必須条件であったストックオプションにより、Yahooの株価が200ドルの値をつけた1990年後半には、20代の若者が億万長者になったこともあった。
Semelは、全株式数に対するYahoo従業員のストックオプション比率を、自らがCEOに就任した2001年5月時点の5.6%から、2002年に1.4%まで縮小した。この比率は従業員に与えられたストックオプションの実質額を反映している。同社は2003年のストックオプション付与について、2%未満にすると計画している。
Yahooの広報担当Joanna Stevensは「Yahooのような企業は成熟期を迎えており、(ストックオプションは)従業員の報酬における唯一の手段ではなくなっている」と語った。「経営者はより総合的な報酬体系を採用している。現金はその1つのかたちであり、ストックオプションがなくなることはないだろう」(Stevens)
IT業界のストックオプション報酬に対する反発が広がる中で、Yahooはストックオプションへの依存を減らした。Yahooの株価は最盛期から90%以上も下落しており、以前ほどストックオプションがインセンティブとして魅力的ではなくなっている。
またストックオプション報酬は税金の抜け穴となっており、過去10年間で幹部職の給与が激増した要因にもなった。財務アナリストは「ストックオプションは企業にとってコストがかかる。しかも常に株価が業績を反映しているわけではない。このことが、会計面での見直し要求につながった」と語っている。
ちなみに、Semel自身は2002年5月の時点でYahoo株を360万株以上を所有していた。現在Semelが所有する株式の合計額は、2003年2月19日終値をもとに計算すると約1000万ドルとなる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス