インテルチップ用SPARCトランスレータ、Transitiveがリリースへ

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2006年08月18日 13時29分

 Transitiveはあるチップ用のソフトウェアを別のチップ用にトランスレートするソフトウェアを専門とする新興企業だが、今四半期中にSun MicrosystemsのSPARCチップ用のプログラムをIntelのXeonチップ上で利用可能にするソフトウェアをリリースする予定だ。

 Transitiveはこのソフトウェアのデモンストレーションを、今週開催されているLinuxWorld Conference and Expoで行った。IntelはUltraSPARCの顧客を自社製品に誘導しようと長年競っており、本事業に関するTransitiveとの提携を 2006年3月に公表している。

 カリフォルニア州ロスガトスに拠点を置く新興企業Transitiveは、2006年第3四半期中にSPARCトランスレーションソフトウェアのXeon用バージョンの発売を開始する予定であると、同社の製品マネージャーを務めるFrank Weigel氏は述べた。同社は、SPARCのコードをIntelのItaniumチップ上で実行するバージョンもデモンストレーションも行い、Weigel氏は同バージョンも第4四半期には発売される予定だとした。どちらも、SunのSolarisではなく、Linuxを利用する。

 この製品は、同社のソフトウェアとしてはじめて企業間の競争に用いられるものであり、Transitiveの歴史の新たな局面を切り開くことになる。同社のソフトウェア「QuickTransit」のこれまでのバージョンは、同一の企業が販売するチップ間で互換性を確保するためのものだった。例えば、Apple ComputerがPowerPCから Intel x86チップに切り替えたケースや、Silicon GraphicsがMIPSからItaniumに切り替えたケース、さらに、今週発表されたIBMが同社のPowerプロセッサ用のソフトウェアをx86上に移植しようとするケースである。

 Transitiveのソフトウェアはあるチップ用の命令を、他のチップで実行可能な等価な命令にトランスレートすることで動作する。頻繁に使われる命令はキャッシュされるため、使われる度にトランスレートする必要がない。

 Weigel氏は、QuickTransitは性能的にも優れていると断言した。Xeon-Linux上でTransitiveのソフトウェアを使って実行されるSPARC-Solarisソフトウェアは、一般にSunの1.5GHz UltraSPARC IV+チップ上で実行される場合よりも高速に動作するとのことだ。

 同社のLinuxWorldでのデモンストレーションでは、SPARC-SolarisバージョンのSybaseとOracleのデータベースソフトウェアを実行するところが披露された。一部のケースでは、EMCのVMWareによってOS上に作られた仮想マシンでソフトウェアは実行された。

 Weigel氏は、顧客は性能が重要な中心的なアプリケーションではTransitiveのソフトウェアを利用することはないと考えられるが、2次的なものについては利用される可能性が強いと述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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