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サン、チップ同士を直接つなぐ技術を開発中--性能向上と省電力化に期待

2004/08/03 20:32
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 Sun Microsystemsによると、同社ではチップ同士が回路基板や配線を使わずに直接信号をやり取りできるような技術の開発が進んでいるという。ただし、これが完成するまでには、多くの作業が残されている。

 「Proximity Communication(接触通信)」と呼ばれるこの技術は、あるチップから隣り合ったチップへ信号を直接送信できるようにするもの。今日使われている技術では、ピンやワイヤ、回路基盤を経由して信号がやり取りされているが、これに代わることを目指している。この技術の開発に成功すれば、コンピュータの設計に関わるさまざまな局面が大きく変わる可能性がある。

 このテクニックが実現すると、たとえば、チップ間のデータ転送速度が高速化し、転送のためのチャネル数が増加することから、チップの性能を劇的に向上させることも可能で、電力消費量も低減できる。また、欠陥のあるチップをScrabbleゲームのタイルのように除去できるため、全体的な製造コストが下がることも重要な点だ。

 「高速な帯域幅を持つチップに対する膨大な需要がある」というのはSun LabsのシニアリサーチャーであるRobert Drost。同氏は先週、同研究所の一般公開日にこの技術に関する説明を行った。「プリント基板上にチップをはんだ付けするのではなく、プリント基板そのものをシステムから取り出してしまうのだ」(Drost)

 この技術は、Sunが米国防総省高等研究事業局(DARPA)後援のスーパーコンピュータ・コンテスト向けに構築しているシステムのなかで、必要不可欠な部分を担っている。DARPAでは、米国メーカーが2010年までに新しい世代のスーパーコンピュータを開発するのを見たいと考えている。IBMとCrayもまた、同プロジェクトでスーパーコンピュータを構築している。DARPAは今後約2年以内に、3社のうちから1社を選んで、同省のシステムを本格的に開発させる計画だ。

 チップの性能は過去20年間で着実に向上しているものの、チップと残りのパーツをつなぐ入出力経路の性能は頭打ち状態で、それがボトルネックとなっていることはよく知られている。

 こうした問題が発生する原因の1つは、チップの接続方法にある。チップが挿入されているパッケージには金属のピンが含まれている。このピンがチップを基盤に固定し、電気的な接続を行っている。

 残念ながら、これらのピンは電子機器などに使用するにはサイズが大きすぎる。数百万ものトランジスタからなるプロセッサを含んだパッケージ上には、わずか数百のピンしか配置できない。そのため帯域幅が制限されてしまう。

 「チップのピンが悪いというのではない。ただ大きすぎるだけだ」(Drost)

 対照的に、Proximity Communicationはコンデンサの組み合わせで成り立っている。これは、帯電した2つの装置を互いが影響しあうくらいまで近づけたもので、片方のチップにある送信機がもう一方に信号を送出する。このとき、これらの信号は増幅される。ピンの代わりに、より多くの送信機/受信機のペアが特定の個所に埋め込まれており、これがより多くの同時接続を実現する。

 また、このテクニックを使えば、現在はチップ上にあるメモリキャッシュを、別の独立したチップに配置するような設計も可能になる。帯域幅を増幅するキャッシュは、いまはチップに統合されている。しかし、キャッシュを追加すると、トランジスタの数が大幅に増えるために製造コストが跳ね上がってしまう。だが、帯域幅からくる制限がなくなれば、チップの性能に影響を与えずに、これを独立させることも可能になる。

 この技術を開発する上での困難の1つは、コンピュータチップのおかれた環境から来るものだ。こうした環境では、熱と振動によって正確に配置されたチップの位置がずれてしまい、近接する他のチップとのデータのやりとりができなくなる可能性がある。Sunは現在、異なるテクニックとパッケージングの方法を使って、この問題の防止もしくは矯正にする仕組みをつくろうとしている。

 「どのようにチップの位置を保つかなど、技術的にとても興味深い問題がいくつかあり、実用化にあたってはこれらが解決されなくてはならない」と、Insight 64のアナリスト、Nathan Brookwoodはいう。「しかし、この技術が実用化されれば、まったく革命的なものになる可能性もある」(Nathan Brookwood )

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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