「日本市場は魅力的」:ピープルソフト、日本市場への取り組み強化

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年07月23日 20時26分

 PeopleSoftがJ.D.Edwardsの買収を発表して1年が過ぎた。日本においても今年6月に法務上の手続きが完了し、新たな日本ピープルソフトとして事業がはじまっている。これまで3拠点(三軒茶屋、三宿、六本木)に分かれていた事業所も統合し、永田町に移転した同社が23日に新オフィスで事業戦略説明会を開催した。

 日本ピープルソフト代表取締役社長のクレイグ・ハリデー氏は、2社の統合で製品やソリューションラインが拡張されたことと、両社の事業領域は競合していなかったことから、顧客層も拡大し、「日本においても存在感が高まった」と述べる。今後同社は日本市場への取り組みを強化するとしており、そのための具体策をハリデー氏は説明した。

日本ピープルソフト代表取締役社長 クレイグ・ハリデー氏

 まず同社は、カスタマーサポートセンターを拡充するとしている。同センターでは、技術的なトラブルシューティングの対応のみならず、製品やサービス、トレーニング情報などを提供していくという。

 またピープルソフトでは、2003年4月に東京テストセンターを設立し、同社製品の品質保証を行ってきたが、今回このセンターをアジア地域の品質強化を担うアジア太平洋地区の主力センターとし、体制を強化するという。これにより、日本で品質保証を行う製品ラインを増やすとともに、日本版の出荷製品の範囲も広がる予定だ。

 また同社は、7月20日に日本IBMと共同で、ピープルソフトのソリューションをより迅速に提供できるよう、IBM-PeopleSoftコンピテンスセンターを開設している。ピープルソフト社内に設置された同センターには、両社あわせて約10名のスタッフが常駐し、IBM製品とピープルソフト製品の組み合わせの検証や導入時の技術支援を行うほか、デモやセミナーを開催するという。

 このほか同社では、顧客との密接な関係を構築するためのユーザー会を拡大させることや、顧客志向への取り組みを強化するためのコンセプト「トータルオーナーシップエクスペリエンス(TOE)」に基づいて製品開発や機能拡張を行うとしている。「TOE実装のために、ピープルソフトでは800億円以上の投資を行った。これにより、わが社の製品リリース8.8と以前のリリースを比較した場合、パフォーマンス問題の解決時間や定期保守パッケージ適用時間が80%短縮され、導入時間が25%、業務の実行時間が30%それぞれ短縮されている」と、同社執行役員 プロダクト・テクノロジー統括本部長の荻矢隆雄氏は説明する。

 ハリデー氏は、2002年のGartnerの調査で、日本におけるエンタープライズアプリケーションのライセンスフィーが2005年に12億ドルに達すると予測されたことなどから、「日本の経済規模は十分に魅力的だ」と述べる。特に日本ではエンタープライズアプリケーションが自社開発となっているケースが多く、「現在パッケージソフトへの移行が加速している。ピープルソフトの製品は柔軟性と適合性が高く、MetaGroupの調査ではSAP製品よりTCOが51%低いという結果も出ている」と述べ、同社製品が自社開発によるエンタープライズアプリケーションを置き換えるのに最適なものであることをアピールした。

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