米Amazon.comは、ユーザーがAmazonのアカウントを使って、他のオンラインショップで商品を購入できるようにする、オンライン支払いシステムのテストバージョンをリリースする計画について、詳細を発表した。
Amazonは、提携企業に宛てた同社のWebサービス計画に関するニュースレターの中で、この支払いシステムのベータバージョンを始動すると述べた。このシステムは、「サイトへの訪問客が、あらゆる製品やサービスの購入にAmazonのアカウントを使えるようにする」ものだ、と同社はニュースレターのなかで説明している。
さらに、このシステムでは、オンラインショップの顧客がウェブコンテンツや決済確認状況に制限付きでアクセスできるようにする。この機能は、基本アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)の形で提携企業に提供される。
このAmazonのサービスは、昨年インターネットオークション大手の米eBayに買収された人気オンライン決済システムPayPalに似た機能を実現しているようだ。しかしAmazonは、決済システム導入によって、より多くの消費者に到達できるようになるだろう、とアナリストらは述べている。
「PayPalは広く普及しているので、AmazonはPayPalとの競合に悩まされるかもしれない」と米IDCの調査責任者Aaron McPhersonは言う。「しかし、これによってAmazonが勢力範囲を広げ、より多くの絶版本や廃盤になった音楽タイトルを販売するチャンスが広がることを考えれば、成功の可能性はある。消費者が、Amazonで欲しいものが見つけられないケースが、基本的には少なくなるだろう」(McPherson)
またAmazonはこのシステムにより、同社が自社サイト用に構築したEコマース・ソフトウェアアーキテクチャから、さらなる利益を得られるようになるだろう、とMcPhersonは言う。
同社はすでに、一部のサードパーティ小売会社が、既存のWebサービスツールを使って、サイトにAmazonのショッピングカート技術を埋め込めるようにしている。新システムではAmazonの製品カタログに直接アクセスできるほか、そこに保存されているデータへのパスを構築することもできる。このAPIベースのツールは、Amazonに顧客を紹介した小売店に対し、紹介に関連した利益の一部を報酬として提供する、Amazonのアソシエイト・プログラムの一部となっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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