Googleの幹部陣は、自らの失敗を称賛すると述べるのが好きだ。何かが失敗に終わっても、少なくとも何かを学ぶことができるというのがその理由である。「Google Chrome OS」については、見通しを立てる方法を学習しているのかもしれない。
Googleが、第4四半期中にChrome OSをローンチするという目標を達成できないことが確実になりつつある。Chrome OSはネットブック向けに設計された軽量のウェブベースOSだ。Googleはまだローンチ時期の延期を明言してはいないが、同社の最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏は11月中ごろに、Chrome OSのローンチ時期は「数カ月先」だと話した。またAcerのシニアバイスプレジデントであるJim Wong氏は先週、報道陣に対して、Googleは2011年に消費者向けローンチを行う予定だと述べている。
Acerは当初からのChrome OSハードウェアパートナーの1社である。同社のWong氏は、Googleが2009年と同様に、2010年も企業ホリデーパーティーでギフトバッグの配布を計画している可能性を示唆した。2009年のパーティーでは、参加者は「Nexus One」携帯電話を正式発売の数週間前に受け取った。Googleはかなり前から、従業員に社内でChrome OSを使わせる予定だと話しており、無料のネットブックをクリスマスギフトとして贈ることで、そのプロセスを前倒しして開始する可能性もある。ただしGoogle関係者は、「Google Chrome OSの進歩に非常に満足している。2010年中にさらなる詳細を発表する予定だ」と話すに留めるだろう。
だが、Chrome OSはどのようなものと考えればよいのだろうか。そのコンセプトは固まっている。ウェブベースのOSで、バッテリ消費量が少なく、極めて高速な起動が可能であり、ローカルへのデータの保存やアプリケーションのインストールをしないことでセキュリティを確保するというものだ。とはいえ、優れたコンセプトでも、実行力が欠如していることや、一度は真っ先に利用したいと思っていた人々の好みが変化することによって、失敗に終わることが往々にしてある。
2010年後半から2011年前半のハードウェアシーンにおいて、Chrome OS搭載ネットブックがどのような位置を占めるのかを正確に予想するのは難しい。タブレットデバイスが定着するであろうことは、ますます明白になってきている。そして、Apple以外でこの分野を狙っている企業は、参入に当たってChrome OSではなく「Android」を採用している。
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