世界のソフトウェアを支配しようとするAppleの取り組みは、再び幸運に恵まれるのだろうか。Appleは「iPhone」で開拓したものと同じシステムを使って、「Mac OS X」のユーザーにも同社のソフトウェア配布システムを提供しようとしている。
Steve Jobs氏は米国時間10月20日、Macのスペシャルイベントで「Mac App Store」を発表した。Jobs氏の言葉からは、60万人に及ぶMac開発者コミュニティーが同ストアへの参入に興味を抱くことについて、大きな自信がうかがえる。Mac App Storeの外観や雰囲気はiOS向け「App Store」と似たものになり、有料セクションと無料セクション、人気アプリケーションのリスト、Appleが推薦するアプリケーションが含まれるとみられる。しかし、携帯電話とタブレットで成功を収めているアプリケーションストアが、デスクトップコンピュータとノートブックコンピュータでも同様の成功を収めることができるのだろうか。
Macは絶頂期を迎えているため、Jobs氏がMac App Storeを宣伝するのに今が絶好のタイミングであることは間違いない。Appleは現在、これまでで最も多くのMacを販売しており、この1年間の販売台数は合計で1400万台近くに達している。最高執行責任者(COO)のTim Cook氏は20日、世界のMacユーザーは5000万人で、MacはAppleにとって年間220億ドル規模のビジネスになったと報告した。また、IDCの先々週の発表では、PC市場におけるAppleのシェアは10.6%であり、これは米国市場ではHewlett-Packard(HP)とDellに次ぐ3位のシェアとなっている。
とはいえ、大きな疑問がまだいくつか残っている。Mac App Storeはどのように機能するのか。Appleは同ストアを統治する規則をどう適用するのか。どのようなアプリケーションメーカーが参入するのか。以下では、現在判明している情報をQ&A形式にまとめた。
Jobs氏が20日に述べたところによると、Mac App Storeは「90日」以内に利用可能になるという。つまり、2011年1月28日だ。1月下旬ということでは、Appleが2010年に「iPad」イベントを開催したのとほぼ同じ時期だ。最終プレビューが、2011年の「iPad 2.0」イベントと同時に発表されるかもしれない。
いずれにせよ、Mac App Storeは公開時、「Mac OS X 10.6 Snow Leopard」搭載Macから利用可能で、2011年夏には「Mac OS X 10.7 Lion」搭載Macにも対応する予定だ。
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