Twitterは米国時間6月16日、「サイトの安定度とサービス停止頻度の点で、6月はTwitterにとって2009年10月以来最悪の月になっている」ことを認めた。過去1〜2年で、技術面の不安定さについての悪評をなんとか一掃し、2010年春には、現実味のあるビジネスモデルを発表することで批評家より一段上に立った企業にしてみれば、これはかなりきまりの悪い事態だ。
Twitterの広報担当者Sean Garrett氏は、ブログ記事に次のように記している。「先週の金曜日、われわれは開発者ブログで、これから数週間、困難な日々が続きそうだ、と報告した。過去最大のトラフィックを処理する際でも安定性の高いシステムを提供するために、調整を行っている。このプロセスにおいて、全く予期していなかった、とても根深い問題を発見し変更を試みた結果、今回、不用意なダウンタイムを引き起こしてしまった」
この「とても根深い問題」は、いわば、それよりもさらに根深いものにつながっている。Twitterは近いうちに、ある選択を迫られるかもしれない。長期にわたって、インターネットの基本構造に不可欠な役割を担うようになるか、あるいは企業利益を追求し続けることによって、多くの利益を上げるがあまり名は残らないという運命になるか、という選択だ。
Garrett氏はそのブログ記事で、Twitterユーザーに対して、最終的にこうした変更はサービスの安定性を高めるのだと強調している。1億9000万人のTwitterユーザーにとっては、それは気休めの言葉にすぎない。ユーザーの多くは、Twitterの信頼性がはるかに低かったころにはまだ同サービスを利用していなかったため、Twitterが長い道のりを経てここまできたことにはあまり寛容な態度を示さないだろう。しかし、これは直面している問題のごく一部でしかない。業を煮やしたユーザーがよりよい環境を求めて離れていく、Friendster型の大規模なユーザー離れがTwitterで起こることはおそらくないだろう。Twitterの方が大規模であるし、Twitterがもたらしてきた文化面での反響は、FriendsterがMySpaceやFacebookのようなサービスに取って代わられた時点でもたらしていたものより、はるかに重要性が高いからだ。一方、ユーザーの「ステータスメッセージ」の公開を進めて、検索されやすくしようというFacebookの試みは、Twitterの成長を阻止するまでには至っていない。
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