サンフランシスコ発--Googleの「Android」や多くの魅力的なスマートフォンとの競争が激化する中、Steve Jobs氏は米国時間6月7日、Appleを擁護した。
自らが「iPhone 4」を発表したAppleのWorldwide Developers Conference(WWDC)で、Jobs氏は同社のために集まった開発者たちに対し、長い時間を費やして、既に高い人気を得ている同社のプラットフォームを売り込むことも行った。その傾向は過去のiPhone開発者イベントよりも顕著で、Jobs氏は「App Store」の承認プロセスの仕組みや「iAd」から得ることのできる金額、Apple製デバイスの市場シェアとリーチ、開発者が自分のアプリケーションをApp Storeで公開することによって達成できる成長の可能性について、慎重に話した。
Jobs氏がそのような行動に出たのは、プレッシャーを感じているからかもしれない。App Storeは大成功を収めており、業界のモデルとなっている。しかし、Appleが承認するアプリケーションの種類を厳しくコントロールしていることや、Adobeの「Flash」をめぐる騒動のせいで、このところ「iOS」は「クローズド」なシステムだという認識が広まっており、App Storeはある程度の批判も受けるようになった。Appleが自社のプラットフォームをコントロールしたいと考えていることに対して、開発者たちが公然と不満を訴えることもあった。その上、Googleは、同社の無料のオープンソースOS「Android」がモバイルアプリケーションのクリエーターにとって現実的な選択肢である根拠について、論理的に自説を主張している。
Jobs氏はさまざまな数字を紹介した。その主な目的は、ほかのスマートフォンメーカーがiPhoneに追いつき、いくつかの点では追い越しているのは事実だが、App Storeのリーチと規模は長期にわたって参加し続ける価値のある市場を形成しているということを、開発者たちに思い出させることだった。
Jobs氏はまず「iPad」、iPhone、「iPod touch」を含むiOS搭載デバイスを通して、App Storeのリーチを例証した。同氏によると、Appleは6月中に同モバイルプラットフォームが重要なマイルストーンを超えると見ているという。
「われわれは、1億台目のiOS搭載デバイスを販売するだろう」とJobs氏は述べた。iOS搭載デバイスには、iPhone、iPod touch、iPadが含まれる。Jobs氏は、聴衆の開発者が先の発言の意図を正確に理解できなかった可能性を考慮して、「皆さんが開発するアプリケーション向けの市場が存在していることは間違いない」という点を強調した。
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