「カメラ3.0」時代に備えよう。なぜなら2012年には、自分の新しい光照射野カメラは11メガレイセンサ搭載のもので十分かどうか、判断しなければならなくなるかもしれないからだ。
シリコンバレーの新興企業Lytroは米国時間10月19日、社名と同じ「Lytro」という名称の斬新なカメラを発表した。同社はこの製品で、光照射野撮影と呼ばれる技術により常識を変えたいと考えている。しかし、同社の野心の大きさに匹敵するのが、直面している課題の大きさだ。
Lytroの外観は変わっている。すべすべしたツートンカラーの細長い箱形で、サイズは奥行きが4.4インチ(約11cm)、幅と高さが1.6インチ(約4cm)だ。一方の端にレンズがあり、もう一方の端にはタッチスクリーン式のLCDディスプレイがある。側面には、電源ボタンとシャッターボタン、USBポート、タッチセンサ式のズームスライダーがある。このスライダーを使って、F2レンズの8倍ズームを調節する。
最高経営責任者(CEO)のRen Ng氏は、19日の米CNETとのインタビューで、Lytroには3つのモデルがあると語った。8Gバイトのメモリを内蔵し、350枚分の撮影が可能な399ドルの「Electric blue」と「Graphite」、そして16Gバイトのメモリを内蔵し、750枚を記録できる「Red hot」だ。現在、米国居住者はLytroのウェブサイト限定で購入が可能だが、出荷は2012年第1四半期以降の予定。
ボタンや、飛び出したレンズ、スクロールホイール、つまみなどが並んだカメラに慣れた人にとって、Lytroは印象的な工業デザインだ。しかし最大の違いは、その内部にある。
従来のデジタルカメラは、イメージセンサ上で被写体にピントが合うように、レンズを使って焦点を合わせている。これはつまり、画像の中の焦点を当てた一部分については、一方向からの光線のみがセンサに到達しているということだ。しかし、光照射野撮影では、さまざまな方向からの光線がセンサ上の各点に届く。カメラがこうした光線の方向の情報を記録しており、撮影後のコンピュータ処理によって、この情報を人間の目で認識できるものに変換している。
その結果、Lytroの画像は、撮影されたあらゆるものの3Dマップであるため、文字通り撮影後のピントを合わせが可能になる。
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