「Palm Pre」
HPは米国時間8月18日、先ごろ発売された「TouchPad」やスマートフォンを含む「webOS」搭載端末に関する事業を閉鎖すると発表した。早い時期にwebOSに可能性を見いだしていたファンにとって、このニュースは残念ではあったが、意外ではなかったのかもしれない。今後の展開がどうなるかは分からないが、少なくとも当分の間、新しいwebOS端末が登場することはないだろう。この悲しい知らせを受けて、われわれは過去に登場し消えていったwebOS端末の数々を改めて見直してみることにする。
すべては「Palm Pre」から始まった。Preは2009年のCESで、鳴り物入りでデビューした。Preは本当にそれまで目にしたことのないようなデバイスで、米CNETの「Best of CES」を受賞している(今まで、携帯電話でこの賞をとったのはPreだけだ)。
残念なことに同イベントの後、Palmは少し沈黙の期間に入り、Preに関する情報をほとんど公表しなくなった。通信キャリアがSprintであることは分かっていたが、店頭に並ぶ時期や機能について、Palmはほとんど何も話さなかった。実際のところ、状況は悪化し、Palmは数カ月後のCTIAで、米CNETのBonnie Cha記者が端末に触れることさえ許可しなかった。
しかし、2009年6月3日にようやくPreを手にしたとき、われわれは多くの長所に気づいた。webOSインターフェースは、「比類なき」マルチタスキングおよび通知機能を提供していた。マルチタッチディスプレイはくっきりとしており、ウェブブラウザとマルチメディアの統合や通話品質も素晴らしかった。とはいえ、われわれはすべてを気に入ったわけではない。キーボードは窮屈でバッテリ持続時間も短く、動作が少し鈍くなることもあった。しかし、Preは前途有望で、さまざまな端末につながる出発点だと期待していた。
米CNETレビューの結論:いくつかの機能の欠落とパフォーマンス上の問題があるため、忙しいプロフェッショナルに理想的な携帯電話とは言えないが、Preは、うまく統合された各種機能と比類なきマルチタスキング機能をガジェットファンや消費者に提供する。ハードウェアに改善の余地はあるが、もっと重要なのは、Palmは、競合他社に匹敵するというだけでなく、スマートフォンによるタスク処理と情報管理の方法についての新しい標準を確立するような、しっかりとしたOSを開発したということだ。
提供:Corinne Schulze/CNET