ソーシャルメディアを巧みに利用するネイキッドジェネレーション--豪州パーティボーイ事件の場合 - (page 2)

文:Caroline McCarthy(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2008年01月23日 14時56分

 極めつけがこの若者、Delaneyさんだ。筆者は、文字通りの裸と形象的な意味の裸の両方の意味でネイキッドジェネレーションの中心の1つをなしているCollegeHumor(BustedTeesの姉妹会社)の共同設立者であるRicky Van Veen氏と、この自己顕示欲の強いオーストラリア人について話をした。Van Veen氏はビデオについて、「(Delaneyさんは)最初からこの機会を利用しようとした。あのTVインタビューでの変な態度で、自分が有名人の仲間入りをするだろうということを承知していた。『この機会を利用するべきだろうか』などという躊躇はいささかもなかった。彼は、有名人になる前から、自分が有名人だと承知していた」と述べた。

 最近の事例に見られるように、ジェネレーションY(米国の1980年以降に生まれた世代)を形成してきた、すべてをさらけ出す性質は演出的な行動につながる可能性を持っている。ニュースキャスターに対するCorey Delaneyさんの回答は、残忍なまでに率直であるように思えるかもしれないが、誰もだまそうとはしていない。それにひどく安っぽい。パーティを開いてあっという間に有名になろうとするという彼の試みに比べれば、Star誌のコラムニストであるJulia Allison氏のビデオブログ、Chris Croker氏の「Leave Britney Alone(ブリトニーをそっとしておいてあげて)」というパロディに満ちた批判ビデオ、あらゆる自己中心的な「lifecaster」(いつも頭にウェブカメラを着けている人々)の自己顕示欲はオペラ座の夜のように洗練された演出に思える。

 もちろん、われわれはバイラルビデオによって勝手に大評判になってしまう可能性があるということについて、どのように対処すべきか今なお模索している。2つのオンラインビデオで最初に生まれたビッグスターの違いを見てみよう。まずは、2002年後半に初めてウェブに登場して有名になった「スターウォーズキッド」である。高校の同級生のいたずらから始まったこの事件は、訴訟と精神治療という結末を迎えた。2年後、Gary Brolsmaさんによる「Numa Numa Dance(恋のマイアヒ)」のビデオは、予想を遙かに超えるヒットになり、その結果、数々のメディアに取り上げられた。ニューヨークタイムズでは記事になり、StupidVideos.comによりビデオコンテストが主催された。

 Paris Hiltonさんのセックスビデオテープの事件が起きたのは、その間の2003年である。同年は、映画「アダルトスクール」が放映された年でもあり、劇中ではWill Ferrell氏が演じる「Frank the Tank(大酒飲みのフランク)」が酔っ払って起こした下品な騒ぎが男子学生の社交クラブで伝説になった(「We're going streaking!(ストリーキングをするぞ!)」というセリフも出てくる)。2003年は、意図的かどうかは別として、裸になることが社会資本となった年であった(依然として許容はされなかったが)。2007年には、18歳のCaitlin Uptonさん(Miss Teen South Carolinaの呼び名のほうが有名である)が、頭の悪さを逆に利用して、Donald Trumpの代理店とモデル契約を結んだ。賭けてもいいが、今では、彼女の言う「米国系アメリカ人」は誰も彼女のことを笑わない。あるいは笑う人もいるかもしれないが、彼らの冷笑が彼女を有名にしているのだ。

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