一方、コンシューマー向けの取り組みとしてはどうか。各銀行はセキュリティソフトウェアの使用を推奨するようになり、ウェブサイトに専用のページを設けてセキュリティ関連のアドバイスやヒントを掲載しているところも多い。しかし、セキュリティツール使用の義務化にまでは踏み切っていないようだ。
「顧客に対しては、詐欺行為やID盗難から身を守るための情報を提供し、PCのセキュリティを確保するための手順を公開している」とWells Fargoの広報担当者Andrea Mahoney氏は語る。Bank of Americaの広報担当者Betty Riess氏からも同様のコメントがあった。
アナリストは、企業が自社のコンシューマー向けサイトやサービスにセキュリティチェック機能を追加する見込みは薄いと予測しているが、この機能に期待している一般のインターネットユーザーもいる。
南イリノイ大学の学生であるBrian Lambert氏は、次のように述べた。「セキュリティの問題は決して軽視してはならない。手続きが煩雑になり過ぎないのであれば、この機能を導入するだけのメリットはあると思う。普段からWindowsのポップアップ警告を無視している人たちにとっては、その数が少し増えるだけだ」
フロリダ州ペンサコラでコンピュータコンサルティング会社を経営するJeff Rosado氏も同じ意見だ。同氏は、「ウイルス対策ソフトウェアとファイアウォールを実行していて最新のセキュリティパッチも適用済みの『安全性に問題なし』のシステムなら、コンシューマーのパスワードやIDを盗む悪質なソフトウェアが忍び込む可能性は低いはずだ」と語る。
しかしRosadoとLambertの両氏は、この機能の弱点も理解している。1つはプライバシーの問題であり、もう1つはWindows Security Centerとサードパーティー製セキュリティプログラムの互換性の問題である。
「Microsoftの推奨するセキュリティプログラムを使っていないからといってサイトから拒否されたくはないし、何より重要なことだが、個人情報のたぐいが流出することは避けたい。また、最新のセキュリティを備えていないユーザーも、リスク警告を確認した後には、ウェブサイトにアクセスできるようにすべきだ」とLambert氏は言う。「それならば、コンシューマーは警告を歓迎するだろう」(同氏)
一方、これまでにIP Commerceたった1社からしか採用の知らせがないにもかかわらず、Microsoftではセキュリティチェックはいずれ普及するという楽観的な姿勢を崩していない。Robinson氏は次のように語った。「Windows Vistaが広く使われるようになれば、多くのアプリケーションがこの技術を採用するようになると確信している。オンラインでのユーザーのセキュリティを確保すること、それがわれわれの最大目標だ」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する